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みんなの新聞コンクール

新聞感想文<高校生>「聞き手から伝え手に」 広島市・観音高2年 小田 彩乃さん(16)

2019/11/14
中国新聞7月30日付

中国新聞7月30日付

戦争に向き合い行動を


 見覚えのあるポンプの写真。どこにあったのか、いつ見たのか、思い出すことができず気になって記事に目を通した。そのポンプは被爆ポンプと呼ばれ、JR広島駅の近くの道端にあることがわかった。私は、通学時に路面電車の中から見えていた、そのポンプのことを思い出した。普段から何げなく見ていたポンプが、戦争を経験した被爆ポンプだということを私は初めて知った。

 小学5年生の児玉美空さんが被爆ポンプのことを知ったのは、ちょうど1年前。「被爆ポンプです 残してください」。ポンプにぶらさがった紙を見て興味を持った。そのメッセージを書いたのは被爆2世である永原富明さんだった。早速会いに行き、ポンプや戦争についての話を聞いた。「もっとみんなに伝えたい」。そんな強い思いで、美空さんは永原さんの話を基に絵本を書き上げた。

 私はこの記事を読んで、戦争について伝えていくために自ら行動することの大切さを感じた。戦争について耳を傾けるだけでなく、自らが伝え手になろうとして絵本を書き始めた美空さん。その美空さんの行動に、永原さんはうれしく思い涙をこぼした。私は美空さんの行動を知り、聞き手から伝え手になっていかなければならないと感じた。原爆投下から74年がたった今、被爆体験者の高齢化が進み被爆体験を直接語り継ぐことが困難になっている。そんな中、どうやって語り継いでいくかが大きな課題だ。いつまでも聞き手のままではいけない。

 伝え手になるためには、今何をしていく必要があるのだろう。広島に生まれ、今までたくさんの人たちから戦争の話を聞いてきた。例えば、レクイエムの鑑賞や「碑」の朗読を聞いたりなどして、広島二中の生徒の被爆の様子を知る機会もあった。しかし、戦争について正確に理解し向き合ってきたかと考えると、曖昧な部分もまだある。今私がすべきことは、戦争について理解し向き合っていくことだと思った。被爆体験者がまだいる今、体験談を積極的に聞いていこうと思う。

 十分に理解を深めた後、私だったらどのような方法で伝えていけばよいだろう。いろいろな方法を考えてみたが読み聞かせをする、ボランティアガイドに参加する、この二つの方法が自分に合っていると感じた。私は将来保育士になりたいと思っている。その練習として読み聞かせのボランティアに参加している。読み聞かせなら、小さい子どもたちにもわかりやすく伝えていくことができる。今からでも実行することができるから積極的にやっていこうと思う。また、英語にも興味があるため平和公園のボランティアガイドに参加して、外国の人にも伝えていくことができればいいと思っている。私は私なりの方法で行動していこうと思う。

 そうは言っても、私一人だけが行動してもなかなか成果は得られない。私たち高校生など若い世代が積極的に行動していくことが、重要になってくる。そのためには、学校の授業やニュースで多く取り上げるなど、戦争について考える機会を増やしていく必要があると思う。原爆にあった広島・長崎だけでなく、他の県でも平和学習の時間を増やすべきだ。私たち若い世代が、ひとりひとり戦争について向き合っていかなければならないと私は思う。

 日本は二度と戦争をしない、そう言いきることはできない。日韓の関係が悪化している中、戦争が再び始まる不安も高まっている。戦争を防ぐためにも、過去のことを伝えていくことが大切になってくる。二度と同じことを繰り返さないように、今できることを少しずつやっていこうと思う。よりよい伝え手になるために、戦争と向き合いながら自ら行動していきたい。

■被爆者の思い次代へ


 見覚えのあるポンプと、小学生の美空さんの行動力…。記事を読み、「私も平和のために何かできるのでは」と考えました。

 私の夢は保育士です。被爆体験を直接聞いた世代として、子どもたちに被爆の実相を伝えていきたいです。現在、ボランティアで取り組んでいる読み聞かせでは、原爆に関する本を紹介しようと思います。「原爆、戦争を繰り返してはいけない」。被爆者の思いを次世代につないでいきます。

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