くらし

<お題>スマホ育児 あり?なし?

2019/3/19 0:00

 「スマホ育児」に賛否があるようです。母親が1人で子どもの面倒を見る「ワンオペ育児」で余裕がなかったり、外出時に周りに迷惑を掛けてはいけないと思ったり。そんなときに子どもにスマートフォンやタブレット端末を見せてあやす場面が増えています。皆さんは子どもにスマホを見せることをどう思いますか。見せる際に注意していることがありますか。

 ▽読者から

 ■社会が優しさを

 保健師の仕事柄、親にはスマホを見せずに子どもをあやすよう指導します。でも最近は、子どもが泣いたり騒いだりするのを許さない社会の方が問題だと思うようになりました。預け先がなく手伝ってくれる人もいない母親の孤独な育児を思うと、「目に悪い」「情緒の発達によくない」とありきたりな言葉は投げ掛けられません。幼い子と親に、社会がもっと優しくなることを願います。(東広島市・保健師女性・39歳)

 ■短絡的と感じる

 菓子やお茶を用意して外出し、ノートとペンを持たせてお絵描きをして待ち時間を過ごすのもいいですよ。移動中は親子で会話をするなど、少しの工夫で何とかなります。便利さに慣れた現代は、すぐに物事が解決しないと気が済まない風潮があるようです。スマホを与えて乗り切ろうとするのは短絡的な方法と感じます。(呉市・主婦・52歳)

 ■昔はTVを批判

 私が子育てしていた35年前は、テレビに子守をさせることへの批判がありました。時代の変化と技術の進化は止められません。スマホがこれだけ普及した今、全く触れさせないのは難しい。受け入れつつ、昭和の子育ての良い面を孫たちに伝えるのが、シニアの役割かなと思います。(三次市・主婦・59歳)

 ■家では触らない

 育休中の新米パパです。先日、初めての飛行機で興奮する2歳の娘にスマホを渡しました。罪悪感があっても、頼らざるを得ないケースは確かにあります。代わりに自分も家ではできる限りスマホに触らないように心掛けています。見たいとせがまれたらベランダに出て風を感じたり、絵本を読んだりして「スマホ欲」が過ぎるのを待ちます。一方で、遠くの祖父母の顔や家族の思い出を写真や動画で手軽に見られる便利さは魅力です。一長一短ですね。(広島市西区・公務員男性・29歳)

 ■親の没頭 疑問に

 スマホに没頭している親の方が気になります。子どもの顔ではなく携帯を見ながら授乳する親、バスの中で子どもから目を離してスマホゲームに気を取られている親…。せめて一緒に窓の外の景色を眺めて「あの建物は○○よ」と説明するなど、コミュニケーションを取る努力をしてほしいものです。(東区・主婦・54歳)

 ■子に見本示して

 スマホとの付き合い方の見本を親が示すべきです。使うときは、目的を子どもにきちんと説明し、退屈しのぎに触っているわけではないと理解させます。長時間の乗車が必要な公共交通での使用は仕方ないですが、外食時のちょっとした待ち時間で使うのは反対です。本を持参するなど工夫の余地があるからです。スマホの使用は最終手段としてはどうでしょう。(佐伯区・主婦・39歳)

 ▽専門家から

 ■リスクも知っておくべき 近畿大准教授(メディア論)大澤聡さん(大阪府吹田市、呉市出身)

 初めから「スマホ育児」をしようと思う親はいないはずです。外出先であやしたり、おむつ替えでじっとさせたりといった限定的な使い方から、いつの間にか子どもが操作を覚えて生活の一部になる―。これが大半の家庭の実情でしょう。

 使わずに済むならそれが一番ですが、私も3歳の息子の育児でスマホの恩恵を受けることがあります。子どもは動くものや操作できるものが好きです。知育に役立つ動画も多く、便利なのも事実です。

 核家族やワンオペ育児の場合、スマホに頼ることもあるでしょう。子どもが泣いたり騒いだりする声が「騒音」と見なされる社会の在り方も問われるべきだと思います。便利な道具への抵抗感はいつの時代もあります。ひと昔前はそれがテレビでした。

 ただ、リスクも知っておくべきです。視力の悪化や依存への懸念に加え、中には悪質な動画もあります。おなじみのキャラクターが登場していても、本来の物語とは違った暴力的な内容が含まれる場合があって、注意が必要です。

 ▽担当記者から

 新コーナーへの多数のご意見とLINE(ライン)への友だち登録、ありがとうございました。賛否はありましたが、スマホを子どもに使わせる場合は家庭でルールを決めるべきだとの助言が目立ちました。長文のご意見が多く、スマホとどう付き合うかを皆さんが日々考えていることも伝わってきました。(ラン暁雨)

 ▽次回のお題は

 ■「きちんと家のことをやるなら…」どう思う?

 「きちんと家のことをやるなら働いてもいいよ」。なんてパートナーから言われたらどんな気持ちになりますか。このセリフは、ある女性誌に掲載された企画のタイトルの一部です。会員制交流サイト(SNS)で「もやっとする」などと話題になりました。子育ても家事も夫婦で取り組みたいと願う妻と、夫のギャップは大きいようです。このセリフや家庭での役割分担、どう考えますか。

この記事の写真

  • 大澤聡さん
  • 食べるの大好き!=史佳(ふみか)ちゃん、広島市安佐南区

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