くらし

<お題>「きちんと家のことをやるなら…」どう思う?

2019/4/16 0:00

 「きちんと家のことをやるなら働いてもいいよ」。なんてパートナーから言われたらどんな気持ちになりますか。このセリフは、ある女性誌に掲載された企画のタイトルの一部です。会員制交流サイト(SNS)で「もやっとする」などと話題になりました。子育ても家事も夫婦で取り組みたいと願う妻と、夫のギャップは大きいようです。このセリフや家庭での役割分担、どう考えますか。

 ▽読者から

 ■もやっとに共感

 「もやっとする」に共感しました。私は昨年結婚してからもフルタイムで働いています。家賃と生活費は夫と折半です。夫は何も言いませんが、義母は「ちゃんとご飯作っているの?」と会うたびに聞いてきます。なぜ食事作りは私の役目なのか…。先日は「息子の収入で十分だから、仕事を控えたら? 孫の顔も見たいし」という意味合いのことを言われました。そんな親が今も多いから、息子世代も「家のことは妻がするもの」と思う気がします。(広島市西区・会社員女性・34歳)

 ■サービス活用も

 子どもが小学生になったのを機に仕事を再開し、何とか家庭と両立しています。でも仕事が忙しかったある日、夕食に総菜を買ったら夫が嫌そうな顔をしました。多少の罪悪感はありましたが、手作り以外は「手抜き」と非難されるのが苦しいです。今は家事代行や食事の配達も充実しています。共働きで分担が難しいなら、便利なサービスを活用するのも一つの方法です。(安佐南区・会社員女性・42歳)

 ■夫も手いっぱい

 僕自身は、専業主婦の妻は3歳と0歳の子どもの世話に忙しく、休みがないことを理解しているつもりです。育児を分担しようと、仕事から帰ると子どもの相手をし、休みには外に連れ出します。できるだけ妻だけの時間をつくるようにしていますが、僕一人の時間はありません。そんな状況で働きたいと言われたら確かに「家のことをきちんとやるなら…」と言ってしまいそうです。外での仕事に子育てに家事…。男性も結構いっぱいいっぱいです。(安佐北区・会社員男性・41歳)

 ■家事協力は当然

 昔、同じことを言われましたが「仕事をしたいと希望したのは私」と自分に言い聞かせていました。この発言は、夫が「自分の生活スタイルを変えたくない」「負担を増やしてくれるなよ」と念押しで言っているように聞こえます。同じ家で生活していれば家事を協力するのは当然なのに、なぜかそれを女性の仕事と思っている男性が多いです。妻に依存し過ぎず、夫も自分の事は自分でできるよう自立してほしいです。(岩国市・主婦・58歳)

 ■慣習が発言助長

 5年前、同じような経験があります。夫の言葉に腹が立ちましたが、夫が激務で分担は期待できませんでした。代わりに掃除を3日に1回にするなど工夫しています。私の場合、母が専業主婦で父はお茶も入れたことのない亭主関白でした。「女が家事をする」という感覚が自分の中にも根付いてしまっています。長年の慣習が「家のことをやるなら…」という発言を助長するのかもしれません。(呉市・非常勤講師女性・37歳)

 ▽専門家から

 ■男性も当事者意識持とう NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事 安藤哲也さん(東京都)

 父親の家事・育児を支援する講演やセミナーを全国で開いています。ここ10年で男性の意識はかなり変わりましたが、今も古い価値観の人がいるようですね。

 高度成長期のように男性が仕事だけに専念し、妻が家を守る時代は過ぎました。今は夫の収入が伸び悩み、超高齢社会で老後の不安も大きい。経済的に見ても、共働きの「ハイブリッド型夫婦」は燃費が良く、遠くまで走れます。働きたいと望む妻には感謝すべきでしょう。

 男性は、自分が「家族の一員で父親」という当事者意識を持つべきです。夫婦で家庭を運営する以上、家事・育児のシェアは当然。親の介護をする時にも、家事スキルは役立ちますし、妻も「理解者がいる」と思うと心に余裕ができる。

 家事をするパパに育てられた息子も、それが当たり前と思って成長する…など好循環が生まれます。「やらなきゃ駄目」ではなく、夫にメリットを示し「やった方がいい」と思わせましょう。

 国は女性が輝く社会を要求しますが、女性活躍と、男性の家事・育児への参画は表裏一体。まずは「男性の家庭活躍推進法」こそが必要です。

 ▽担当記者から

 昔ながらの性別役割分担の意識の壁は、まだ厚いようです。「今の社会にそぐわない古い価値観」「夫婦の経済格差が家庭内の力関係を決めている」といった声や「発言を逆手に取って、家事分担を進める話し合いを夫に持ち掛ける」などのアイデアも寄せられました。(ラン暁雨)

 ▽次回のお題は

 ■きょうだいの子育て どう向き合う?

 新年度を迎える春は、幼稚園入園や小学校入学の子に親がかかりきりになりがちです。おのずと、ほかのきょうだいと過ごす時間が減ります。「下の子が朝保育園に行く前に泣き続けた」「抱っこをしつこくせがむようになった」などの声も聞こえてきます。親も忙しく、ついイラッとして悪循環になることも。年の近いきょうだいの子育て、皆さんはどんなふうに向き合っていますか。

この記事の写真

  • 安藤哲也さん
  • 妹が生まれて大喜び=左から琉冴(りゅうが)ちゃん、楓加(ふうか)ちゃん、徠冴(らいが)ちゃん、東広島市

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