くらし

ランドセルに新たな命を 卒業後の活用法

2019/5/11 19:21
ネパールに贈るランドセルを携帯ショップで寄付する親子=広島市安佐南区のソフトバンクフレスポ西風新都(撮影・天畠智則)

ネパールに贈るランドセルを携帯ショップで寄付する親子=広島市安佐南区のソフトバンクフレスポ西風新都(撮影・天畠智則)

 小学校卒業後のランドセル、どうしていますか。6年間の思い出が詰まっていて捨てるのは忍びないし、かといって家での保管スペースもない―。扱いに悩む保護者は多いだろう。活用法として注目されているのが発展途上国への寄付や、小物へのリメークだ。

 ▽途上国の子どもに寄付

 「大切に使っていたので、これからも誰かの役に立てたらと思って」。広島市安佐南区の中学1年村田尚也君(12)は4月下旬、母親(49)と話し合い、途上国への寄付を決めた。ソフトバンクがネパールの子に向けた「愛のランドセル寄付プロジェクト」を始めたと聞いたからだ。

 持ち込んだのは自宅近くの携帯ショップ。担当者に手渡すと、活動の報告が見られるQRコードが印刷された証明書をもらった。「手放すのはちょっと寂しいけど、引き継いでくれた新しい持ち主が楽しく勉強できたらうれしい。手元になくても、ずっと心に残ります」と満足そうだ。

 ランドセルはNPO法人を通じて、山岳地帯が多い現地の公立学校196校に贈られる。丈夫で、貴重な教科書を傷つけずに持ち運べるため喜ばれる。背負いやすく、山道を何時間もかけて通学する子の体にも優しい。家で勉強するとき、ちょっとした机代わりにもできて便利だという。

 寄付できるのは、破損や落書きがなく、経年劣化していない卒業後5年以内のもの。事前申し込みをし、名札などを外して持ち込む。送料はソフトバンクが負担し、全国の店舗で今月末まで受け付ける。

 アフガニスタンへ贈る団体もある。世界の女性を支援する公益財団法人ジョイセフ(東京)は2004年から、使わなくなったランドセルの寄付を呼び掛けている。女性の就学率が低い同国で、学校へ行くきっかけにしてもらう。

 昨年までに20万個以上を贈ったという。担当する甲斐和歌子さんは「現地ではランドセルがとても目立っていて、教育を身近に感じられるようになっている。親たちが自分の子どもにも背負わせたいと、子の就学を考えるようです」と手応えを感じている。

 ▽小物に再生 使い続ける

 手元に残したいという人にはリメークがお勧めだ。飾るためのミニランドセルはもちろん、小物にも生まれ変わる。福山市の「レザースタジオサード」ではキーホルダーやポーチ、名刺入れなど普段使いできるアイテムが人気だ。サービスを始めたのは7年前からで、卒業式後の3〜5月には毎年、全国から月20件ほど注文が入る。

 ランドセルを買ってくれた祖父母に感謝の気持ちを込めて贈ったり、家族でそろいの品を作ったり…。社会人になるのを機に、手帳カバーや財布にして自分へのプレゼントにする人もいる。糸や金具の色が選べて3千円から作れる。

 店のスタッフは「最近のランドセルは色が多彩でアレンジの幅が広がる。思い出を身に着けて、大切に使い続けたいという人が多いようです」。役目を終えたランドセルに新たな命が吹き込まれ、さまざまな形で旅立っていく。(ラン暁雨)

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  • ランドセルがキーホルダーや定期入れなどの革小物に生まれ変わった(「レザースタジオサード」提供)

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