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子ども、どう守る 園児や親子犠牲の事故頻発、運転は危険予測心掛けて

2019/5/25 10:58
車道から離れた位置を歩く保育園の園児と職員(広島市中区)

車道から離れた位置を歩く保育園の園児と職員(広島市中区)

 子どもが巻き込まれる交通事故が相次いでいる。大津市では今月、交差点で散歩中の保育園児らに車が突っ込み2人が亡くなった。東京・池袋でも4月に車が暴走し、横断歩道を渡っていた母子2人が犠牲になった。子どもが事故に遭うリスクを減らすために、周りの大人は何ができるだろうか。運転や子どもとの外出時の行動を見直した。

 ▽一緒に外出、ルール教えよう

 自身が事故に遭わないようにするためでなく、周りの安全にも気を配った運転とはどんなものだろう。

 可部自動車学校(広島市安佐北区)教習部の川人博道さん(53)は「道路は本来譲り合って利用するものですが、みんなが自分中心に考えがちです」と、運転する側の意識を見つめ直すことを求める。

 子どもは飛び出しによる事故が目立つ。幼いと見通しの悪い交差点など危険を十分に予測できず、一つのことに気を取られ、周りへの注意が行き届きにくい傾向もあるからだ。川人さんは「子どもの感覚や動きの特性を知った上で、ハンドルを握ってほしい」と注意を促す。

 特に車道と歩道がはっきり分かれていない道は気を付ける。通学路や公園の近く、駐車している車の陰などは徐行して進む。常に起こり得る危険を予測しながら事故を防ぐ「防衛運転」を心掛けたい。

 歩行する子どもたちが身を守るためには、何ができるのか。

 交通安全教育は、大人の大きな役割だ。まずは大人自身がルールやマナーを守って子どもに示すことから始めたい。日本自動車研究所(茨城県つくば市)の主任研究員で、子どもの安全教育に取り組む大谷亮さん(44)は「子どもと一緒に外出する機会を安全教育の場にしてほしい」と話す。

 小学校低学年までの子どもの場合、親は安全を確保した上で、子どもに少し先を歩かせてみる。交差点や歩道でどんな行動や対応をするかを観察する。交差点で車道から離れて信号待ちをしているか。青信号でも車両の動きを確認してから渡っているか。

 横断歩道でも、車両が止まらずに進入してくるかもしれない。手前で車が停止してから渡るようにする。先に答えを言うのではなく、「どうやって渡る?」「右に車はいない? 左には?」などと問い掛けて一緒に考える。歩道では、大人が車道側で手をつなぎ、できるだけ車道から離れて歩く。信号待ちの際は、万が一車が突っ込んだときに備えて、ガードレールや電柱など障害物の後方に立つ。

 欧米に比べて、日本では歩行者が事故に遭いやすい。交通事故総合分析センター(東京)によると、2016年の交通事故死者に占める歩行者の割合は、米国やフランス、ドイツなどが10%台であるのに対し、日本は35%に上る。18年の歩行中の事故による死傷者は、年齢別に分析すると7〜8歳が最も多い。

 川崎医療福祉大(倉敷市)の金光義弘名誉教授(交通心理学)は「車優先の考え方が根付き、交通弱者である歩行者が守られていない」と指摘する。

 昨年の日本自動車連盟(JAF)の調査では、信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしていても止まらない車がほとんどだった。「歩行者優先の環境と意識に変えていくべきだ」と金光名誉教授は訴える。

 そのために、信号待ちの場所に車道より一段高い安全地帯を設けることなどを提案する。また、歩行者がドライバーに自らの存在を気付かせることも大切という。特に子どもや高齢者は、目立つ色の服や反射材を身に着けて外出することを勧める。(鈴木大介)

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  • 「交差点で歩行中の子どもが事故に遭うことが多い」と話す川人さん(安佐北区の可部自動車学校)

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