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多様な性、受け入れ応援を 「LGBTs レインボーかたつむり協会」鶴岡代表に聞く

2019/6/4 9:15

 体と心の性が違うトランスジェンダー。少しずつ認知度は高まってきたが、多様な性の在り方を子どもにどう話せばよいか戸惑う大人は少なくない。広島市内で5月、親向けの講座を開いた「LGBTs レインボーかたつむり協会」代表の鶴岡そらやすさん(46)=埼玉県川口市=に、家庭や学校での伝え方を聞いた。(標葉知美)

 ▽戸惑わず子どもと語るには

 鶴岡さんは、子どもの頃から体は女性、心は男性として生きてきたトランスジェンダーだ。15年間にわたって小中学校の教員を勤めた経験も踏まえ、「身近な大人が、子どもの服装や行動について性別で決め付けないでほしい」と訴える。

 ▽服装や行動 決め付けないで

 例えば、親や教員が女の子は赤、男の子は青というふうに持ち物の色や服装、髪形を男女で分けるのはやめたい。大人に偏見の意識はなくても、当事者は「自分はおかしい」「理解してもらえない」などと感じ、大きなストレスになるという。

 鶴岡さんが、女性であることへの違和感を自覚したのは幼児の頃。スカートやリボンを身に着けさせられるのが苦痛だった。小学校に入ると赤いランドセルが嫌でたまらず、男女でデザインの違う帽子や家庭科のエプロンをわざと忘れて行った。「忘れ物が多い、水着や制服を嫌がるなどの気付きがあれば、話を聞いてあげて」と呼び掛ける。

 また、当事者ではない子どもにとっては大人の言動が偏見を持つきっかけになる。例えば、息子がピンクの鉛筆を買おうとしたとき、母親が「そんなの持ってたらいじめられるよ」と言う。鶴岡さんは「それは、『ピンクの鉛筆を持っている男の子はいじめられていい』と言っているのと同じ」と指摘する。

 自分の発言に「しまった」と思ったら、それを多様な性についてわが子と語り合うチャンスにしよう。

 伝えたいのは正しい知識だ。性的少数者には性的指向に関わるレズビアンやゲイ、バイセクシャル、鶴岡さんのようなトランスジェンダーらがおり、頭文字を合わせてLGBTと呼ばれること。現在11人に1人いるともいわれていること。周囲に言えず「生きづらさ」を抱える当事者は少なくないこと…。性的少数者に関するテレビ番組なども話す機会になる。

 さらに、鶴岡さんが提案するのが当事者を理解し、支援する人「アライ(Ally)」となり、それを相手に表明することだ。英語のアライアンス(同盟、提携)が由来になった言葉で、当事者に寄り添う気持ちがあれば誰でもなれる。

 「学校に行きたくない」「死にたい」などと話す子どもの中にも、性的少数者がいる。SOSのサインに気付いたら、親は「どんなあなたも大切な存在」と伝え、相談相手になるよう心掛ける。教員や塾の講師なら、性的少数者の勉強会に参加した話をしたり、学級通信で自分の考え方を伝えたりして、さりげなく「アライ」だと伝えよう。

 当事者から相談を受けたら、本人の許可なく他者に伝えないことも大切だ。まだ知識や情報を十分に得ていない子どもたちは、性的少数者を「普通じゃない」と感じることがある。いじめやいじりの対象になる可能性もあり、慎重に対応したい。

 「多様な個性を認めることは性的少数者のためだけの話ではない」と鶴岡さん。「誰もが安心して生きることのできる社会につながる。大人が一歩を踏み出してほしい」

 ▽親や教員向け体験講座 広島12日・福山20日

 レインボーかたつむり協会は今月、広島市と福山市で親や教員向けの性的少数者に関する体験講座を開く。両会場とも、協会公認のインストラクター冨岡あさみさん(福山市)が正しい知識や現状を伝える。12日は午前10時半〜正午、広島市南区の広島オフィスセンター。20日は午前10時〜11時半、福山市三吉町のイベントスペース木の香conoca。いずれも参加費3240円で、前日までに申し込む。冨岡さんTel080(5343)0849。

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