• トップ >
  • くらし >
  • くらし >
  • はしかと風疹、混合ワクチンで予防 広島で感染急増、夏休みに拡大の懸念

くらし

はしかと風疹、混合ワクチンで予防 広島で感染急増、夏休みに拡大の懸念

2019/7/2 19:22

 ▽接種回数 まず確認を

 はしか(麻疹)と風疹が、中国地方で流行している。この二つは、はしかと風疹2種混合の「MRワクチン」で予防できる。舟入市民病院(広島市中区)感染症科の松原啓太医師(49)は「人の移動が増える夏休みは感染が広がりやすい。ワクチンをこれまでに接種したかどうか、まず確認してほしい」と注意を促す。

 はしかは中国地方では特に、広島県での感染が急増している。県感染症・疾病管理センターによると、県内の感染者は6月30日時点で20人。過去10年で最多だった2011年の25人に迫る勢いだ。東南アジアや流行する関西での感染に加え、同じ職場での二次感染や感染経路が分からない三次感染もある。全国でも既に、昨年の2倍を超える638人がかかった。

 舟入市民病院の松原医師によると、はしかは感染力が強く、患者と同じ空間に短時間いるだけで空気感染する。さらに、最初はかぜに似た症状で気付くのが遅れやすい。怖いのは合併症で、千人に1人ほどは脳炎になって亡くなる。妊婦が感染すると、流産のリスクが高まる。

 風疹にかかる人も増えている。中国地方の各県では14年以降、ゼロや数人という年が多かったが、昨年から増加傾向にある。今年は6月30日までに、島根(29人)と広島(29人)、山口(18人)の3県でそれぞれ2桁を超えた。全国の患者数は現在、1848人に上る。

 風疹はせきやくしゃみといった飛沫(ひまつ)感染や接触感染でうつる。発熱とともに発疹が出るのが一般的だが、熱が出ないこともある。発症の数日前から他人にうつるため、知らないうちにウイルスを広げやすい。また、妊娠初期の女性が感染すると胎児にうつり、子どもの目や耳、心臓に障害が出る恐れがある。妊婦にうつさないように、家族も気を付ける必要がある。

 はしかと風疹は、同じMRワクチンで予防できる。副作用はいずれもかゆみや発熱、発疹などで、多くは数日で収まる。

 妊婦や妊娠の可能性のある人などは接種できないが、一般には2回接種が基本だ。松原医師は「ワクチン1回の効果は5〜10年とも言われる。1回だけでは、十分な免疫が付きにくい」と説明する。

 接種の回数について、今は法律で1歳と就学前の計2回を勧めている。しかし注意したいのは、MRワクチンが定期接種になる06年以前、制度のはざまで0回、1回の人がいることだ。はしかの場合、1990年4月1日までに生まれた20代後半〜40代で1回しか受けていない人がいる。風疹は、40、50代の男性は0回の可能性が高い。90年4月1日までに生まれた20代後半や30代の人、40、50代の女性も1回の人が多い。

 0回、1回の人たちは、あらためてMRワクチンの接種が必要になる。接種の前に、はしかと風疹の抗体があるかどうか検査することもできる。特にはしかは、広島県でも東南アジアから帰国した人から感染が広がっている。松原医師は「夏休み中、海外や流行地を訪れる人も多いはず。出掛ける前に、まず接種回数を母子手帳で見直してほしい」と呼び掛けている。(福田彩乃)

 ■混合ワクチン費用■ 自費では1万円負担、年齢によって補助も

 MRワクチンの接種は、自費の場合は1万円ほどの負担となる。しかし今は、国や自治体による風疹対策で、年齢によっては接種費用の補助が受けられる。

 国は今年から3年間、感染の多い40、50代の男性が無料でワクチンを受けられるようにした。市町村を通じてクーポンを配っている。ただし抗体検査で風疹の免疫がないと分かった人に限る。

 また、風疹については抗体検査の費用も補助がある。中国地方の5県や各市は、妊娠を希望する女性や家族、妊婦の家族を対象に、検査を無料にしたり助成したりしている。

 こうした補助があるワクチン接種や抗体検査は、厚生労働省や自治体が指定する医療機関で受けられる。予約が必要かどうかや、検査を実施している日時を確認して受診しよう。補助をうまく生かせば、はしかの予防にもつながり一石二鳥だ。

この記事の写真

  • 「はしかと風疹の流行にもっと関心を持ってほしい」と呼び掛ける松原医師(広島市中区)

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

くらしの最新記事
一覧