くらし
ダウン症の若者5人躍動 ヒップホップダンスパフォーマー目指し広島で活動
プロのヒップホップダンスパフォーマーを目指し、広島市内で活動するダウン症の若者5人がいる。名前は「I4P」(アイ・フォー・ピー)。8月には憧れのプロバンドと同じ舞台に立つ。僕たちも人を楽しませたい―。中国地方では珍しいダウン症のエンターテイナーとして一歩を踏み出す。
▽「みんなを喜ばせたい」 8月、憧れの先輩と舞台
音楽に乗って、5人の体が躍動する。しなやかなステップに、首や手首だけを動かすアイソレーションなどのテクニック。全身を使い、曲と一体になる。何より「楽しそうに踊る」のが持ち味だ。
昨春、活動を始めた。名前の「I4P」は、Infinity(無限大)などの英単語の頭文字を取り「無限大の可能性を持った仲間」との意味を込めた。ダンススクールなどを経営するK.D.S(中区)が運営する障害者の就労支援事業所で、「仕事」として踊る。県内外でのイベントへの出演や特別支援学校のダンス指導など忙しい。
メンバーは、リーダーの広瀬賢士さん(22)=東区、佐藤辰哉さん(22)=西区、高木優吾さん(23)=安芸区、山根裕太郎さん(21)=南区、福崎翔太さん(23)=三次市。ダウン症の場合、筋力が付きにくく運動が苦手な人が多い。作業所での仕事も梱包(こんぽう)や菓子作りに限られがちだ。しかし実は運動が好きな人もいる。5人は毎日、腹筋、腕立てなどで体を鍛え、4時間ほどの踊りの稽古をこなす。
いま力を入れているのは、知的障害者でつくるプロバンド「JOY倶楽部(くらぶ)ミュージックアンサンブル」(福岡市)の夏のコンサートに向けた練習だ。ダウン症の演奏者らが国内外で年間50回の公演をこなすバンドは、I4Pにとって憧れの存在でもある。音楽で観客に希望や感動を届ける「先輩」の舞台にゲスト出演することが決まり、稽古に熱が入る。
リーダーの広瀬さんは「見に来てくれる人のことを思えば、練習に疲れは感じない。みんなを喜ばせたい」と話す。K.D.S代表でダンスを教える広兼正清さん(41)は「障害を理由に将来を決め付けてほしくない。個性を伸ばせば夢は広がる」と力を込める。
ダウン症の人の成人期の社会参加が課題となっている。日本ダウン症協会理事でもある大阪医科大の玉井浩名誉教授(小児科)は「学校を卒業した後もいろんな選択肢があることを伝える素晴らしい活動だ。ダウン症の成人が自信と誇りを持って生きるモデルになってほしい」と期待する。(標葉知美)
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I4Pがゲスト出演する「JOY倶楽部ミュージックアンサンブル サマーコンサート」は8月25日、広島市中区のJMSアステールプラザである。午後3時開演。大人2千円(高校生以下、障害者手帳を持っている人は1500円)。前日までに申し込む。JOY倶楽部Tel092(504)9371。
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