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手足口病、広島でも猛威 今季、高熱のケース目立つ

2019/7/28 19:33
手足口病による熱が引き、口の周りに赤い発疹が出始めた菜月ちゃん(広島市南区)

手足口病による熱が引き、口の周りに赤い発疹が出始めた菜月ちゃん(広島市南区)

 ▽流水+せっけん 手洗いの徹底呼び掛け

 口の中や手足に発疹が出る感染症「手足口病」が、乳幼児を中心に全国で流行している。広島県でも昨年より2カ月早く警報が出て、県内全域で広がっている。熱はあまり高くないのがこの病気の特徴とされるが、今季は高熱が出るケースも目立つ。手洗いの徹底などで感染を防ぎたい。

 広島市南区の「小児科さとうクリニック」には、手足口病の子どもが多い日では10人ほど受診する。近くの石丸菜月ちゃん(3)は39度の熱が出た。翌朝引いたと思ったら、唇の裏側や口の周り、足に赤い発疹が現れた。母晴美さん(44)は「口の中が痛くてあまり食べないので、プリンやゼリーなど軟らかいものを与えています」と言う。

 症状によっては、親が手足口病と判断しづらいケースもある。南区の岡田葵翔(あおと)ちゃん(2)は3日前の夜から高熱が続き、一時は40度まで上がった。発熱の数日前から発疹が見られた。母智穂さん(36)は「発疹が少なく、喉の痛みや鼻水がないまま高熱が続いたので心配でした」と話す。

 ▽6月中旬に警報

 手足口病は、エンテロウイルスなどが原因で発症する夏風邪の一種。感染から3〜5日後、発疹が出る。大半は数日で治るが、まれに脳炎や髄膜炎などを引き起こす。広島市感染症対策協議会の委員を務めるさとうクリニックの佐藤貴院長(60)は「今季の傾向は高熱の子が多い。治ったと思ってから2、3週間して、手足の爪が剥がれるケースもある」と説明する。ただ爪が剥がれても、その後に自然と生えるので心配ないという。

 佐藤院長によると、広島市内で手足口病が増え始めたのは6月中旬。患者はほかの市町でも多く、広島県は6月13日に「手足口病警報」を出して注意を呼び掛けている。

 全国でも流行は続く。国立感染症研究所によると、全国の約3千の小児科定点医療機関が報告した患者数は、7月14日までの1週間で1カ所当たり12・64人に及んだ。厚生労働省によると、過去20年で最多という。

 ▽タオル共用は×

 この病気はワクチンなどで予防できない。せきやくしゃみで散ったウイルスに接触して感染するため、流水とせっけんでしっかり手を洗うのが基本だ。感染した場合は、家庭内でも患者とのタオルの共用は避ける。治ってしばらくは、便の中にもウイルスが含まれている。大人もおむつ交換後は手洗いを徹底する。

 治療薬はなく、経過を見ながら治るのを待つ。軽い症状で済むことが多いが、口の中の発疹が痛くて食事が難しくなるので、栄養面でサポートする。佐藤院長は「薄味で冷たく、つるっと口に入るものを与えるといい」。麺類や冷えたかゆ、茶わん蒸し、ゼリーなどを勧める。

 かゆさから発疹部分をかくと、とびひになることもある。長袖で予防すると蒸れてしまって良くない。涼しい格好で過ごし、かいてとびひになりそうな場合は受診し、塗り薬を処方してもらうといい。(桜井邦彦)

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  • 「熱と発疹が出たら手足口病かもしれません。夏のうちは気を付けて」と話す佐藤院長(広島市南区)

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