くらし
人への優しさ根付く街 戦禍から復興のワルシャワ
広島交響楽団のポーランド公演に同行し、8月中旬に首都のワルシャワを訪れた。戦争の惨禍から復興を遂げた街には、「人間中心」というポーランド人の考え方が根付いている。市民の優しさが感じられる街の風景を紹介する。
▽歩行者優先、マナーも道路も
「平原の国」を意味する名前が付けられたポーランド。日本の5分の4の面積の国土に約3840万人が住む。2004年に欧州連合(EU)に加盟してから始まった経済成長は今も続いており、首都には高層ビルやショッピングセンターが並ぶ。そんな街で目に付いたのが、電動キックスクーターで軽快に走る若者の姿だ。
手軽な移動手段として市民に愛用されているらしい。市内各所にレンタル電動キックスクーターやシェアサイクル(自転車)のステーションが設けられている。
「道路も車ではなく、歩行者や自転車などを優先して建設されている」と語るのは、下関市出身でワルシャワ大日本学科などで約50年にわたって教壇に立ってきた岡崎恒夫さん。歩道や自転車道は、車道より幅の広い設計で、自動車は横断歩道の前では必ず「歩行者優先」で停止する。子どももお年寄りも安心して道路を渡ることができる。
東京からポーランド人の夫、息子とワルシャワに移住した日系企業勤務の寺田頼子さんは「暮らしやすい街。『お受験』に追われることなく子育てができる」と笑顔で話す。治安が良く、演劇や音楽などの文化活動も盛んだ。最近は日本企業の進出に伴って、日本人在住者が増えているという。
ワルシャワは第2次世界大戦で壊滅状態になり、戦後に再建された。市民の情熱によって「ひび割れの一本まで」元の姿に復元された歴史地区は1980年、世界遺産に登録。訪れた時はバカンスシーズンとあって、欧州各地からの観光客で大にぎわいだった。
親日国としても知られるポーランド。街角で日本のマンガの翻訳版を並べた「コミック専門店」を発見したほか、コンビニで普通にすしが売られていたのには驚いた。(西村文、写真も)
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