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「足元」の規定、広島でも3割 #KuToo、職場でヒールのあるパンプス強制

2019/10/25 20:08

 ▽接客多い企業に本社がアンケート 見直す動きも、改革これから

 職場でヒールのあるパンプスを「女性のマナー」として強制されるのは苦痛だと訴える「#KuToo」運動。企業はこの動きや女性社員の靴についてどう考えているのだろう。接客の機会が多い広島の68社にアンケートした。回答した45社のうち、何らかの規定があるのは3割を占めた。顧客の目線が気になるようだが、中には規定を見直す動きもある。「足元」の働き方改革はこれから進みそうだ。

 広島県内に本社を置く金融機関や百貨店、ホテルなどを対象に、9月にアンケート用紙を送った。「ヒールのあるパンプスの義務化や推奨、または何らかの社内規定があるか」の問いに「ある」と答えたのは14社。理由として「顧客に不快感を与えないように」「企業イメージを保つため」などを挙げた。

 「3〜5センチヒールの黒いパンプスに限る」「ナースサンダル不可」など、ヒールの高さやデザインを細かく定めている企業も。同じ企業内でも職種によって規定が異なるケースや、規定外の靴を履く場合は「異装届」の提出が必要なケースもあった。

 「ある程度の規定は必要」と説明するのは、ある金融機関の担当者。幅広い年代の女性が働いており、身だしなみとおしゃれの境があいまいになることを心配する。「全て自由となると、サンダルやピンヒールでもいいと解釈する人が出てくる。顧客の資産を預かる仕事なので、信頼感のある装いは当然」と話す。

 パンプスを履き慣れていない若い世代に、先輩が靴の選び方を助言する職場もある。女性社員の多くが制服を着る企業(金融)では、新人研修でストラップ付きや太ヒールの靴を勧めているという。「パンプスがマナーと考える顧客は今も多い。安定感がある靴を履いてもらうなど、身だしなみと働きやすさのバランスを取る工夫が必要」と担当者は話す。

 今後、規定を見直す予定があるのは金融と流通の2社。店頭での案内や接客を担う従業員から「足に負担がかからない靴を履きたい」という希望が寄せられたという。流通では、販売員の年齢構成が高い売り場では、既にローヒールの靴を勧めている。担当者は「安全な職場づくりのため、マニュアルの文言を変える予定」と説明する。

 一方で、もともと規定自体がないという企業も多い。あるメーカーは「数年前に制服を廃止して以降、服装に関する決まりはない」。大手製造業は「ノーネクタイや私服も認めている。採用活動でも靴は判断基準に入らない」という。

 自由記述では#KuToo運動に共感する声が目立った。「パンプスはつらい」「時代のニーズに合った見直しを」など、企業の柔軟な対応と社会の理解を求める意見が相次いだ。(ラン暁雨)

 ▽社員の健康優先し「自由化」 スニーカー勤務日導入/フラットシューズOKに

 社員の健康を優先し「靴の自由化」を進める企業もある。住友生命保険は昨年からスニーカー勤務を推奨するカジュアルデーを導入した。約500人が働く広島支社(広島市南区)では、スニーカー以外にもローファーやバレエシューズを履いた女性が目立つ。

 内勤職場でも書類を持って走ったり階段を上り下りしたりと、1日1万歩以上歩くことが多いという。森山華苗さん(43)は「どんなに履きやすいパンプスでも長時間だと膝が痛くなる。スニーカーOKになって体が楽になった」と喜ぶ。営業職では顧客に合わせて靴を履き替えるなど、柔軟に対応しているという。

 スーツ専門店「洋服の青山」などを運営する青山商事(福山市)も、フラットシューズやローファーも認めるなど規定を緩やかにした。合言葉は「働く人のために働こう」。長時間立ちっぱなしで接客する従業員に配慮し、足に合った靴を履くことができる。

 人事部の渡辺美咲副部長(39)は「売り場でも年々フラットな靴のニーズが広がっている。ビジネスウエアを扱う企業として、働く人の目線に立って率先して意識改革したい」と話す。

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  • スニーカーやローファー、バレエシューズなど、多彩なスタイルで働く住友生命保険広島支社の社員=広島市南区(撮影・大川万優)

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