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災害ボランティア、現地の状況確認を 相次ぐ記録的大雨、心得は

2019/10/27 20:11

 東日本を中心に大規模な浸水や土砂崩れなどの被害をもたらした台風19号や低気圧による記録的な大雨。被災地の復旧作業が進む中、家屋では泥出しや室内清掃などにボランティアのニーズが高まっているという。現地に出向いて作業を手伝う際の心得や注意点をまとめた。

 ■受け入れ条件把握/自分の衣食住確保

 福島県では、阿武隈川が氾濫した郡山市など15市町にボランティアが相次ぎ入り、泥出しや室内清掃などに追われている。県社会福祉協議会災害ボランティアセンター(福島市)を統括する関靖男さん(59)は「冬を迎える前の11月中の復旧を目指している。高齢者の住宅が多く、人手が必要」と支援を求める。

 ▽高速道はHPで

 では、遠い場所でのボランティアにはどんな備えがいるのだろう。昨年の西日本豪雨の際、広島市災害ボランティア本部の副本部長を務めた「ひろしまNPOセンター」事務局長の松原裕樹さん(37)は「まずは、どの地域がどんなボランティアを募っているか確認を」と助言する。

 全国社会福祉協議会(全社協、東京)によると、市区町村単位で70を超す災害ボランティアセンターや社協が募っている。全社協のホームページ(HP)で、ボランティアの居住地について「地域を問わず募集」「近隣市町村に限る」など、自治体ごとの条件を確かめられる。ニュースによく出る地域や交通の便がいいエリアに集中しがちなので、不足気味の地域へ出向くと喜ばれる。車で行く場合、高速道路料金が無料になるので、西日本高速道路などのHPで手続きを確認しよう。

 現地には、自分の衣食住を自ら確保して行く。拠点とする宿を予約し、水や食料、必要な装備を準備する。泥出しや室内清掃なら長袖、長ズボンに長靴、厚手のゴム手袋、ヘルメットか帽子、マスクを着用する。寒くなるので上着なども持参する。

 事故に備え、センターなどでボランティア活動保険に入ると安心だ。全社協のHPからも申し込める。保険料は補償に応じ350円から710円。けがや損害賠償にも対応している。

 松原さんは「男女や年齢を問わず、自分にできるボランティアはあります」と強調する。西日本豪雨の時は、センターに戻ってきたボランティアへのおしぼりやドリンクの配布も喜ばれたという。中長期で参加できる人であれば、センターの受付など事務的な仕事もある。

 現地での作業の心得も知っておきたい。西日本豪雨の際、広島県坂町のセンターに詰めたひろしまNPOセンター理事の増田勇希さん(39)は「大切なのは被災者に寄り添う気持ち。自分の家だと思って作業してください」とアドバイスする。

 勝手な判断で家の中のものを捨てない。酒の空き瓶一つでも、その人にとって大切な品かもしれないからだ。「『ごみ』という言い方は被災者を傷つけます」と増田さん。一品一品を丁寧に扱い、水洗いすると喜ばれる。物を投げる粗雑な行為や家屋内の無許可撮影も慎もう。

 ▽被災者と交流も

 被災者との交流も大切にしたい。増田さんは「『広島から来た』と伝えてください。同じ被災地であるため、会話が生まれるし、被災者も励まされます」と強調する。傾聴も、心を癒やす大切なボランティアだ。

 また、被災地へ出向かなくてもできる間接的なボランティアもある。お金や物資の支援だ。ただ、自己判断で不要な物を送らないよう、現地が募集している物資を必ず確認する。

 最近は、通販サイトで自治体が必要なものを公募し、支援したい人がそれを購入すると被災地に届くシステムもある。台風15号の時は千葉市が利用してブルーシートやヘッドライトなどを募った。台風19号でもこうした公募がある可能性があり、活用するとミスマッチが起きにくい。(桜井邦彦)

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