• トップ >
  • くらし >
  • くらし >
  • 老老介護の日常つづる 呉出身のテレビディレクター信友さん、「ぼけますから―」書籍出版

くらし

老老介護の日常つづる 呉出身のテレビディレクター信友さん、「ぼけますから―」書籍出版

2019/11/5 20:02
「本にすることで、両親や老いに対する自分の気持ちに気付かされた」と語る信友さん(広島市中区)

「本にすることで、両親や老いに対する自分の気持ちに気付かされた」と語る信友さん(広島市中区)

 呉市出身のテレビディレクター信友直子さん(57)が、認知症の母と老老介護をする父の日常をつづった「ぼけますから、よろしくお願いします。」を出版した。両親にビデオカメラを向けたドキュメンタリー映画と同じタイトル。映画では盛り込まなかった娘としての戸惑いや葛藤などの素直な気持ち、老いや介護への考えも書き表した。

 東京でテレビの仕事をしていた信友さんは、呉に戻るたびに母文子さん(90)と父良則さん(99)の暮らしのありのままを撮り続けた。家事をできなくなり「ばかになってしもうた」と苦しむ母。慣れない炊事や裁縫にひょうひょうと挑む父。そんな両親が互いをいたわり合う姿…。信友さんは執筆に当たり映像を見直す作業を通じ「その時に感じた自分の気持ちがよみがえってきました」と語る。

 認知症は「ギフト」と表現した。「母が認知症にならなければ気付かなかった家族の愛がありました。認知症になると終わりではないんです」と強調する。

 「私の中で、母は少しずつ死んでいっている」ともつづった。2年前の夏の日記に書き留めた「ブラック」だが偽りのない気持ちだ。大好きな母が亡くなってもそれほど悲しまなくてもいいように、神様が母を少しずつ変えていってくれていると感じたという。

 「同じように考え、自分を責めている人もいると思う」と信友さん。「そういう人には『あなただけでない』と声を掛けたい」

 新潮社刊。四六判、256ページ。1500円。(衣川圭)

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

くらしの最新記事
一覧