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インフルワクチン、早めの接種を 広島でも早期流行入り

2019/11/5 20:03

 インフルエンザが早くも流行し始めている。広島県は10月31日、昨シーズンより7週間ほど早く流行入りしたことを発表した。ここ10年で最も早い。全国でも沖縄県で夏に注意報が発表され、九州の一部では既に9月に流行が始まっている。医師らは早めのワクチン接種を呼び掛けている。

 ▽外国人客の増加も一因か/効果発揮まで2〜3週間

 広島県では10月27日までの1週間で、県内の115医療機関が報告した患者数が、1機関当たり1・36人となった。今季、中国地方で最も早く、流行入りの目安の1人を超えた。全国でも沖縄県のほか、鹿児島県は9月中旬、愛媛県は10月上旬に流行入りするなど、患者数が増えている。

 なぜ流行が早まっているのか。厚生労働省の梅田浩史・感染症情報管理官は「明確な理由は分からないが、インフルエンザに限らず感染症は、人の流入が多いと感染のリスクが高まる」と説明する。インフルエンザは常に地球のどこかで流行している。専門家の間には、ことしはラグビー・ワールドカップの開催もあり、国外から早い時期にウイルスが持ち込まれた可能性を指摘する声もある。

 また、インフルエンザが流行するのは寒い時期というイメージがあるが、そうとは限らない。ウイルスは寒い方が活発だが、気温が40度近くの熱帯地域でも確認されている。日本の冬に流行するのは寒いのに加え、乾燥しやすいから。空気が乾燥するとウイルスが広がりやすく、夏や秋でも湿度が低ければ流行することがある。

 広島県感染症・疾病管理センターは「今季は例年より早い時期に患者が増える可能性が高い」とみる。流行のピークは予測が難しいが、早まるかもしれない。感染への対策は前倒しで始めた方がよさそうだ。

 きだに小児科(広島市佐伯区)院長の木谷和夫・広島県小児科医会理事は「ワクチンをできるだけ早く接種してほしい」と呼び掛ける。接種してから効果を発揮するまでに2、3週間かかるためだ。

 重症化すると脳炎や脳症を引き起こしたり、肺炎になったりして、亡くなることもある。体力のない乳幼児や高齢者は特に注意が必要だ。ワクチンは効果が出始めてから5カ月ほど効くとされる。今のうちに接種すれば春までは、重症化予防につながりそう。広島県薬務課によると、今季は十分な量のワクチンを確保できる見通しという。

 小まめな手洗いや、せきやくしゃみが出るときはマスクを着けるといった「せきエチケット」も徹底したい。加湿器で室内を50〜60%の湿度に保つことや睡眠、栄養をしっかり取ることも大切だ。(福田彩乃)

 ▽「1回飲むだけ」、新薬も登場 乳幼児向けはタミフル中心

 手洗いの徹底やワクチン接種をしても、かかってしまうことはある。昨年からは新しい治療薬「ゾフルーザ」も登場した。従来のタミフルなどが1日2回、5日間使う必要があるのに対し、錠剤を1回飲むだけで済む。患者の負担が少なく、飲み忘れを防げる利点がある。

 しかし、12歳未満の子どもに対しては、日本感染症学会は今年、投与に慎重な検討を求める提言をまとめた。日本小児科学会も、積極的な投与を推奨していない。まだ使用例が少なく、副作用の心配が消えないからだ。子どもが使うとゾフルーザが効きにくいウイルスが生まれる確率が高いことも理由に挙がる。特に乳幼児向けの処方は、タミフルが中心になりそうだ。

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  • インフルエンザの予防接種を受ける9カ月の女の子(広島市佐伯区のきだに小児科)
  • インフルエンザの治療薬ゾフルーザ

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