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ハレの日にアンティーク 家具や着物のレンタル人気

2019/12/6 20:03
アンティーク家具のレンタルを利用して結婚式を挙げた和田さん夫妻=東広島市(リ・カムアクロス提供)

アンティーク家具のレンタルを利用して結婚式を挙げた和田さん夫妻=東広島市(リ・カムアクロス提供)

 高価なアンティークの家具や着物をレンタルする店が人気を集めている。ヨーロッパから取り寄せたいすやテーブルで結婚式を演出したり、大正時代の訪問着で成人式の写真を撮ったり。長年使われたことによる色落ちや傷が新品にない味わいを漂わせる。どれも気軽に買える代物ではないため、手頃な値段でハレの日を演出できるのが魅力だ。

 東広島市八本松町のフランス料理店で11月上旬に開かれた結婚式。木々に囲まれた洋館に一点物のアンティークのいすがずらりと並ぶ。素朴な草花で彩り、会場はまるで欧州の休日の雰囲気だ。式に臨んだ新婦の助産師和田千亜季さん(27)=広島市西区=は「レンタルのおかげで想像以上にすてきな空間ができた。今も当日の写真を何度も見返してしまう」と喜ぶ。

 家具を貸し出したのは、東広島市豊栄町のアンティーク家具店「リ・カムアクロス」。2016年5月にレンタルを始めた。2トントラックに家具を詰め放題で9万8千円。トラックはいす50脚に小物などを多数入れられる容量で、店内や倉庫にある3千点余りの家具や敷物、ドレス、小物から自由に選べる。

 家具を配置した会場の画像を店に提供すれば、料金を1万円引きにする。店主の中岡政文さん(45)が写真をインスタグラムやフェイスブックに投稿すると、「いいね」や問い合わせが相次ぐ。依頼は今では年80件に上る。

 「好みや個性をアンティーク家具で表現できるのが魅力。インスタ映えの中に長年大切に使われた家具が醸す温かさを感じてほしい」と中岡さん。今年に入って提携するホテルや結婚式場も県内で3カ所増え、5カ所になった。海辺や森など野外のウエディングにも応じる。中岡さんがトラックを運転して四国や九州にも家具を運び込むことがある。

 福山市光南町の着物サロン「まちこのま」は、大正―昭和初期のアンティーク着物を貸し出す。サロンを営む菅本真知子さん(66)が25年かけて2千枚を収集。赤い裏地のほか、生地に織り柄が入る。バラなど西洋の花や尾長鶏などを大胆に描き、現代にない独特の鮮やかな色柄が特徴という。

 当時の女性の身長に合わせ、多くの着物の身丈は短め。菅本さんは「ブーツや手袋、セーターと合わせると違和感ない。そんな『和洋ミックス』もおしゃれ」と勧める。成人式や卒業式、結婚式、子どもの七五三で利用する女性が多い。

 同時代の帯やビーズのバッグもそろう。小物を含めレンタル料は1万円。菅本さんがコーディネートもしてくれる。アンティーク着物の多くは経年劣化が進み、手に入りにくくなっているという。菅本さんは「丁寧に作られた着物の良さを伝えたい。手軽にいろいろ試してほしい」と話している。(鈴中直美)

この記事の写真

  • 三瓶山の麓での結婚パーティー用にトラックで運び込んだ家具や小物。一度にこれだけ詰め込める(リ・カムアクロス提供)
  • 「洋書やアンティークレース、ラグなどの小物も人気」と話す中岡さん(東広島市)
  • アンティーク着物や帯を収めた棚の前で、白地に鮮やかな尾長鶏を描いた着物を畳む菅本さん(福山市)

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