くらし

冬の中国路 タイヤチェーン、安心の備え

2019/12/13 20:10

 タイヤチェーン装着と聞くと、寒風に凍えながらの作業が思い浮かび、考えただけでつらい。だが、雪道を走るのは危険で、一部の高速道路や国道で昨季から、大雪時に限って装着が義務付けられた。冬用タイヤであっても通れないし、違反すれば罰則がある。いざというときのため、チェーンを備えておきたい。

 ▽大雪時3区間で装着義務 シーズン前、取り付け練習を

 チェーンはめったに付けないから、覚えたつもりでも1年たてば手順を忘れてしまっている。だから、いざ雪が降ると脱着のトラブルが急増し、日本自動車連盟(JAF)にレスキュー依頼が相次ぐ。JAF広島支部事業課の渡辺伸一課長(48)は「最近のものは脱着が簡単になったとはいえ、シーズン前に練習をしておきましょう」と促す。

 JAFが今月実施した無料の取り付け教室を訪れた広島市安佐北区の吉満昌芳さん(76)、順子さん(73)夫妻。雪道を走ることが少ないため、車の買い替えを機に昨季から冬用タイヤをやめ、積雪時はチェーンで対応することにしたという。

 吉満さんのチェーンは脱着しやすい樹脂タイプ。渡辺課長の手ほどきで試行錯誤し、自分たちで付け外しできるようになった。吉満さんは「慣れると簡単そう。帰ったら早速復習です」と練習の大切さを実感していた。

 国土交通省によると、チェーン規制は、気象庁が特別警報や緊急発表を出すなどの大雪時に実施される。中国地方では、浜田道の大朝インターチェンジ(IC)―旭IC▽米子道の湯原IC―江府IC▽国道54号の赤名峠付近の3区間が対象となっている。違反すると、道路法に基づき6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課される。昨季は実施がなかった。

 ただ、規制の有無にかかわらずチェーンは常に携行したほうがいい。渡辺課長によると、冬用タイヤ装着車でも、深い雪やアイスバーンの坂道では立ち往生する恐れがある。「中国地方は昼夜の気温差が激しく、雪が解けては凍る。刻々と変わる路面状況に気を付けてほしい」と強調する。

 では、どんなチェーンを選べばよいのだろう。カー用品販売のジェームス西風新都店(広島市佐伯区)の東英司店長(44)は「付けやすさやグリップ力が違うので、自分にぴったりのタイプを探してください」と助言する。

 昔ながらの金属製は、グリップ力が強く、1万円弱から1万5千円前後。非金属製のうち、売れ筋の樹脂タイプは、装着が簡単で耐久性に優れ、2万円前後で手に入る。このほか最近は、タイヤにかぶせるだけでいい1万円前後の布製も人気という。この布製は、長距離を走るのには向かないので緊急脱出用として活用したい。どのタイプも大半がジャッキアップ不要だ。

 購入時は、マイカーのタイヤのサイズ、車体との隙間を確認し選ぶ。駆動輪が前か後ろかも調べておく。冬用タイヤと同様、雪予報が出たと同時に店舗へ客が殺到しがちだ。同店では昨年、新規制の影響で年内にほぼ完売し、今季も問い合わせが多いという。

 今季は今のところ、暖冬予報で、降雪量は少ない見通し。だが、広島地方気象台は「一時的に寒気が強まれば積雪の可能性はある」とする。油断は禁物だ。(桜井邦彦)

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  • JAF広島支部で渡辺課長(左)からチェーンの付け方を学ぶ吉満さん夫妻(広島市西区)

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