くらし

ご当地ビールで年末年始は「乾杯」

2019/12/25 20:16
広島県内のクラフトビール約10種類をそろえている大和屋酒舗。「飲み比べて個性を味わってほしい」と勧める(広島市中区)

広島県内のクラフトビール約10種類をそろえている大和屋酒舗。「飲み比べて個性を味わってほしい」と勧める(広島市中区)

 ビールは苦くて飲みづらい―。そんなイメージを覆す香り豊かなクラフトビールが、中国地方で続々と誕生している。フルーティーなものから、香辛料など意外な副原料を加えたものまで多彩だ。この年末年始、ユニークなご当地ビールで乾杯してはいかが。

 ▽果物や香辛料で香り豊かに。ラベルもおしゃれ

 広島市安佐北区の広島北ビールが手掛ける「柚子(ゆず)エール」は、見た目は黄金色をしたごく普通のビールだが、一口飲むと爽やかなユズの香りがする。苦みも気にならない。広島県産のユズの皮を煮て香りを付けている。

 2年前に開業した同社は、定番のユズに加え、春にはイチゴ、夏はブドウと季節替わりの果物シリーズを醸造する。平本祐也代表(32)は「ビールが苦手な若い女性たちにも人気です」と話す。

 各地の名産を取り入れたものもある。広島県産レモンを仕込んだビールを出すのは広島市中区のセッションズブリュワリー。江津市の石見麦酒は、島根県津和野町産のシークワーサーを使っている。

 こうした動きが広がったのは、昨春、酒税法改正でビールの香り付けなどに使える副原料が増えたのがきっかけだ。これまでの米やトウモロコシに加え、果物、野菜、コンブやワカメ、蜂蜜など幅広い。

 広島北ビールにはタカノツメを使った商品もあり、ピリッとした辛みが面白い。セッションズブリュワリーは、海の味覚カキで醸造。溶け出たミネラルの効果でまろやかな口当たりが楽しめる。ご当地ビールを手掛ける醸造所は、中国地方で10社以上ある。

 瓶に貼るラベルもおしゃれなものが目立つ。石見麦酒は、地元のデザイナーに委託し、コーヒー豆やレモンなど副原料の手描き風のイラストを添える。広島北ビールは、亀をモチーフにしたかわいいキャラクターをあしらう。

 では、どの料理にどう合わせればいいだろう。クラフトビール好きが高じて、専門の冊子を自費出版した広島市中区の会社員伊藤直弘さん(52)は「料理と相性のいい香りを選ぶには、揚げ物にレモンを搾ったり、コーヒーに甘いクッキーを添えたりする普段の感覚でOKです」と助言する。

 例えば正月なら、雑煮はユズビール、栗きんとんには少し苦みのある夏みかんを使ったビールを選ぶといい。おとそ代わりに飲むなら、米が多めの日本酒風ビールがお薦めという。

 誕生から20年以上たつクラフトビールは、技術が向上しておいしくなり、「第3次ブーム」と言われる。2020年はさらに、個性豊かな一杯へと進化しそうだ。(福田彩乃)

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  • 津和野町産シークワーサーの皮を使った石見麦酒の「セッションIPA151」。ラベルは城下町を泳ぐニシキゴイをイメージしたデザイン
  • 宮下酒造(岡山市)と澤井珈琲(コーヒー)(境港市)が共同開発した「星降るビール」。コーヒー豆のブルーマウンテンを麦汁に漬け、香りを際立たせた
  • 山口地ビール(山口市)の「山田錦ラガー」。山口県産の酒米「山田錦」をたっぷり使い、日本酒風のまろやかな味わい。和食に合う

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