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おいしい・ヘルシー、シカ料理 血抜きした肉、産直市や通販で

2020/1/15 18:56
冷しゃぶ

冷しゃぶ

 シカ肉は臭くて硬い―。そんなイメージは、処理が不十分な状態で田舎の食卓に並んでいた昔の名残だ。きちんと血抜きされたシカは、癖が少なくヘルシーな赤身でおいしい。中国山地ではシカが増えて捕獲量も多く、産直市などで肉が手に入る。自宅でジビエ料理に挑戦してみよう。

 ▽欧州では高級食材

 薄くスライスしたシカもも肉を熱湯に通し、氷水にさっとくぐらせた冷しゃぶは、さっぱりした味わいでしつこくない。「甘みがあるでしょう」。安芸高田市で猟師をして約40年になる古門正文さん(68)は、地元産のシカ肉を自慢そうに頬張る。

 中国山地では、農作物を食い荒らす「厄介者」としてシカは駆除され、狩猟を加えると、広島県だけで1年間の捕獲数は約1万頭に上る。県内市町の中でも安芸高田市は群を抜く。

 古門さんが製造管理者を務める市の食肉処理加工場では、ハンターが仕留めて血抜きし、30分から1時間以内に運んできたものだけを食用にする。場内で内臓を抜き、うま味をより引き出すため5度の冷蔵庫で24〜48時間かけて熟成させる念の入れようだ。PR努力が実り、最近は広島市内のほか、東京都内の和洋食の名店でも使われている。

 シカ肉は、牛や豚の肉より高タンパク、低脂肪で、鉄分が多いのが特徴。部位ごとに、筋が少なくいろんな料理に合う背ロース、歯応えがあるもも肉などがある。ではどんな料理に合わせるか。古門さんは、安芸高田市の猟師仲間、保村晃さん(43)と家庭で作れるシカ料理を教えてくれた。

 古門さんのお薦めは背ロース肉のみそ焼き。「シカ肉は火を通し過ぎると硬くなる。低温でじっくり熱を加えるのがポイント」と助言する。保村さんの推しは背ロース肉やもも肉をサクッと揚げた「シカカツ」。「適度な歯応えが野性味を感じられ、酒も進むと思います」とアピールする。

 肉は、シカが多い地域の産直市などで冷凍されて並んでいる。捕獲頭数が広島県内で最多の安芸高田市内では「JA広島北部ふれあいたかた産直市」などで手に入る。県産シカ肉を買える通販サイトもある。

 「欧州ではシカは高級食材。日本でもその知名度を上げ、もっと食べてほしいですね」と顔を見合わす古門さん、保村さん。食材として普及すれば、捕る猟師も増え、里山の農業被害を減らす助けになるかもしれない。(桜井邦彦)

 ▽みそ焼き

 ■材料(2人分)
背ロース肉200グラム、合わせみそ100グラム、酒大さじ2、だしのもと・ガーリックパウダー・塩こしょう各少々

 ■作り方
(1)塩こしょう、ガーリックパウダーを全体に振って肉になじませる。
(2)みそ、酒、だしのもとを袋で混ぜ合わせ(1)を漬ける。冷蔵庫で2、3日寝かす。
(3)みそを落とす。フライパンに載せてアルミホイルで覆い、弱火で10分ほど火を通す。
(4)ホイルで覆ったまま5分ほど置き、好みの大きさにスライスする。

 ▽シカカツ

 ■材料(2人分)
背ロース肉200グラム、塩こしょう少々、パン粉・小麦粉各適量、卵1個、牛乳50cc
 ■作り方
(1)肉を厚さ3、4ミリに切って塩こしょうを振る。
(2)小麦粉、溶き卵、牛乳をボウルで混ぜる。
(3)(1)を(2)に付け、パン粉をまぶし、180度に熱した油で約1分揚げる。表面に色が付けば出来上がり。

この記事の写真

  • みそ焼き
  • シカカツ
  • シカ肉を調理する古門さん(左)さん(安芸高田市)
  • 古門さんが安芸高田市内で撮影したシカ(2019年5月)

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