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手作りマスクいいね ハンドメード作家に注文殺到【動画】
新型コロナウイルスへの不安から市販のマスクの品切れが相次ぐ中、ガーゼを使った手作りマスクが広がりつつある。インフルエンザや風邪も流行し、花粉症も気になる時季だけに「ないのなら自分で作ろう」というわけだ。マスクを作るハンドメード作家の元にも注文が殺到し、一部では製作が追い付かないという。
広島県海田町のハンドメード作家山野美乃里さん(31)の夫は花粉症で、これからマスクが欠かせない。でも近くのドラッグストアや薬局のマスクの棚は空っぽだ。いつもは子ども用しか作らないが、今回初めて夫と自分に作ることにした。「何も着けないよりは手作りでもあった方が安心ですから」
無地のガーゼを使えば職場でも着けやすい。手芸店などで2重になった「ダブルガーゼ」を選ぶと、目がそろっていて縫いやすく、お薦めという。作りやすいのは平面の四角いタイプ。手間はかかるが、プリーツ型や立体型も作れる。
広島市佐伯区の中村弥生さん(38)も、手作りし始めた一人だ。普段は子ども服を作って雑貨店に卸しており、給食当番を想定した子ども向けのマスクであれば春に販売したことがある。しかしことしは、風邪をひいた長女のために作った。「娘のマスクを見たママ友にも作り方を聞かれました」と話す。
インスタグラムやツイッターにも、手作りマスクの画像がずらりと並ぶ。ネット上で注文を受けるハンドメード作家も少なくない。アプリで出品する広島県内のある作家は「いつもの3、4倍の数を作ってもすぐ売れる」と驚く。
やむなく注文を制限したケースもある。布マスクをネットなどで販売するラミコナップ(呉市)は、昨年は月10枚ほど売れた。だが今年1月末には1日で約30枚の注文が集まった。製作が間に合わず、1日の受注を5枚に限ったという。
こうした手作りマスクは、花粉やウイルスを防ぐ効果がどれくらいあるのだろう。しらお小児科・アレルギー科クリニック(広島市南区)の白尾謙一郎院長は「何も着けないよりは、花粉症の症状が和らぐ可能性があります。ただ、期待しすぎないようにしてください」と注意を促す。
感染症専門医でビッグフロント広島内科呼吸器科(南区)の能島大輔院長は「マスクによる感染症の予防効果は薄いことを知ってほしい」とくぎを刺す。主な役割は、せきなどの症状のある人が着けてウイルスを含んだしぶきを周囲に飛ばさないことだからだ。「小まめに手洗いし、十分な栄養や睡眠を取ることこそが大切です」と強調した。(福田彩乃)
■買い占め控えて 厚労省訴え
厚生労働省は市販マスクの不足を受け、予防のために買い占めることを控えるよう訴える啓発メッセージをホームページで公表している。マスクは「風邪や感染症の疑いがある人」が使うことが重要とし、必要な分だけの購入を呼び掛ける。
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