くらし

一斉休校 子どもの留守番の注意点は

2020/3/5 20:00
「親子でスケジュールを毎日立てましょう」と呼び掛ける角野さん(広島市西区)

「親子でスケジュールを毎日立てましょう」と呼び掛ける角野さん(広島市西区)

 新型コロナウイルスの感染拡大で小学校などが休校となり、共働き家庭では、子どもだけで留守番をするケースが増えている。家を空ける親も、子どもの生活リズムが乱れないか、犯罪に遭わないか―と不安が尽きない。子どもたちが休みを安心、安全に、少しでも有意義に過ごすポイントとして専門家は、親子で約束事を決めるよう提案する。

 ▽過ごし方 計画表づくりは親子で

 まず実践したいのは、1日のスケジュールを立てることだ。発達障害児のデイサービス施設「スッカ」(広島市西区)の管理者、角野直美さん(62)によると、親が勝手に決めて押し付ける形でなく「親子の合意」が大切という。

 「今回の休校は突然で親も動揺したでしょうが、子どもたちも混乱し何をしていいか戸惑っている」と角野さん。「子どもの目線で一緒に考えてください」と呼び掛ける。特に発達障害児は、自由な時間を過ごすのが苦手なので気を配りたい。

 予定は夜に、次の日に取り組む教材の範囲などを具体的に話し合う。忙しい両親に代わって朝食の皿洗いやテーブル拭きなどの手伝いを任せるのもいい。そしてチェックリストでできた項目にシールを貼り、「よくできたね」と褒める。

 より効果を高めるのはご褒美だ。宿題が終わって余った時間を遊びに当てたり、小遣いやお菓子をあげたり。角野さんは「大人も頑張った自分にケーキ―とモチベーションを上げるでしょう。子どもも同じ。初めはご褒美目当てでも、達成感が快感となり行動が定着してくるものです」と指摘する。

 ▽防犯対策 施錠や約束事を張り紙に

 防犯対策としては、インターホンが鳴っても絶対に鍵を開けない、固定電話に出ない―といったルールを親子で共有する。安田女子短大保育科(広島市安佐南区)の橋本信子教授(61)は「オオカミと7匹の子ヤギを描いた童話のように、犯罪者は子どもを巧みにだますので注意が必要」と警鐘を鳴らす。

 「母親が病気になった」などとうそで子どもを不安がらせ、連れ出そうとする手口もあり、留守番の間は他人と接点を持たせない方が安心という。玄関のドアや居間などに「鍵を必ず締める」「誰か来てもドアを開けない」と張り紙をし、約束事の見える化をしておくと子どもが忘れにくい。

 ▽心のケア 定期的な電話で安心感

 ただ、こうして家で缶詰め状態にして外部との接触を断っていると、子どもたちにストレスがたまる。情緒が不安定になって寝付きが悪くなったり、いらいらしたりする恐れがある。

 呉市の小児科医師、渡辺弘司さん(65)は「メンタルケアも忘れないでほしい」と指摘する。親や祖父母など親しい誰かが「電話するからね」と伝え、留守中、定期的に声を聞かせるといい。「子どもたちが少しでも安心感を得られ、安否確認にもなります」。これは親が果たすべき約束事だ。

 もう一つ、家に閉じこもって心配なのが運動不足。渡辺さんは「人が密集していない、感染リスクが低い屋外なら、適度な運動でバイオリズムを整えられる」と話す。家のそばなど場所を選んで外の空気を吸い、縄跳び、キャッチボールなどで体をほぐすといい。

 子どもの留守番は親子とも不安でいっぱいな一方、「わが子が成長し、自立心を養うチャンスでもある」と角野さんたち専門家は力を込める。逆境を前向きにとらえて乗り切りたい。(桜井邦彦)

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  • イラスト・大友勇人

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