くらし
一斉休校 子どもの留守番の注意点は
新型コロナウイルスの感染拡大で小学校などが休校となり、共働き家庭では、子どもだけで留守番をするケースが増えている。家を空ける親も、子どもの生活リズムが乱れないか、犯罪に遭わないか―と不安が尽きない。子どもたちが休みを安心、安全に、少しでも有意義に過ごすポイントとして専門家は、親子で約束事を決めるよう提案する。
▽過ごし方 計画表づくりは親子で
まず実践したいのは、1日のスケジュールを立てることだ。発達障害児のデイサービス施設「スッカ」(広島市西区)の管理者、角野直美さん(62)によると、親が勝手に決めて押し付ける形でなく「親子の合意」が大切という。
「今回の休校は突然で親も動揺したでしょうが、子どもたちも混乱し何をしていいか戸惑っている」と角野さん。「子どもの目線で一緒に考えてください」と呼び掛ける。特に発達障害児は、自由な時間を過ごすのが苦手なので気を配りたい。
予定は夜に、次の日に取り組む教材の範囲などを具体的に話し合う。忙しい両親に代わって朝食の皿洗いやテーブル拭きなどの手伝いを任せるのもいい。そしてチェックリストでできた項目にシールを貼り、「よくできたね」と褒める。
より効果を高めるのはご褒美だ。宿題が終わって余った時間を遊びに当てたり、小遣いやお菓子をあげたり。角野さんは「大人も頑張った自分にケーキ―とモチベーションを上げるでしょう。子どもも同じ。初めはご褒美目当てでも、達成感が快感となり行動が定着してくるものです」と指摘する。
▽防犯対策 施錠や約束事を張り紙に
防犯対策としては、インターホンが鳴っても絶対に鍵を開けない、固定電話に出ない―といったルールを親子で共有する。安田女子短大保育科(広島市安佐南区)の橋本信子教授(61)は「オオカミと7匹の子ヤギを描いた童話のように、犯罪者は子どもを巧みにだますので注意が必要」と警鐘を鳴らす。
「母親が病気になった」などとうそで子どもを不安がらせ、連れ出そうとする手口もあり、留守番の間は他人と接点を持たせない方が安心という。玄関のドアや居間などに「鍵を必ず締める」「誰か来てもドアを開けない」と張り紙をし、約束事の見える化をしておくと子どもが忘れにくい。
▽心のケア 定期的な電話で安心感
ただ、こうして家で缶詰め状態にして外部との接触を断っていると、子どもたちにストレスがたまる。情緒が不安定になって寝付きが悪くなったり、いらいらしたりする恐れがある。
呉市の小児科医師、渡辺弘司さん(65)は「メンタルケアも忘れないでほしい」と指摘する。親や祖父母など親しい誰かが「電話するからね」と伝え、留守中、定期的に声を聞かせるといい。「子どもたちが少しでも安心感を得られ、安否確認にもなります」。これは親が果たすべき約束事だ。
もう一つ、家に閉じこもって心配なのが運動不足。渡辺さんは「人が密集していない、感染リスクが低い屋外なら、適度な運動でバイオリズムを整えられる」と話す。家のそばなど場所を選んで外の空気を吸い、縄跳び、キャッチボールなどで体をほぐすといい。
子どもの留守番は親子とも不安でいっぱいな一方、「わが子が成長し、自立心を養うチャンスでもある」と角野さんたち専門家は力を込める。逆境を前向きにとらえて乗り切りたい。(桜井邦彦)
▽コロナ禍で孤立 不安に寄り添う 新型コロナウイルス禍の中で、自宅で高齢者や障害者、引きこもりの人たちを世話している介護者「ケアラー」が孤立しがちになっている。「自分が感染して介護ができなくなったら...
▽うま味凝縮 そのまま食卓へ キッチンのこんろに付いている魚焼きグリル。通常の網焼きに加え、中に入れる調理器具「グリルパン」を使えば、活用の幅がぐっと広がる。自宅で料理する機会が増えている中、広島市...
新型コロナウイルス予防で増えた家での時間、お気に入りの香りをふわっと広げて心地よく暮らす人もいる。リラックスしたいときや集中したいときなどにぴったりの香りもある。春、気持ちを新たに生活を始めたい人に...
国内でも接種が本格化する新型コロナウイルスワクチン。「急ごしらえのようだけど安全性は大丈夫?」「そもそもどんな仕組みで予防できるの?」など、さまざまな疑問があるだろう。ウイルス学が専門の広島大大学院...
▽大人の装い 微糖スタイルで