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【この働き方、大丈夫?】第2部「結婚・出産 遠すぎて」に反響

2020/3/8 19:11
広島市内であった婚活パーティー。年収や仕事を書いたプロフィルを交換し、フリートークに臨んだ

広島市内であった婚活パーティー。年収や仕事を書いたプロフィルを交換し、フリートークに臨んだ

 低い年収では結婚できない。妻は思うように働けない…。連載「この働き方 大丈夫?」第2部「結婚・出産 遠すぎて」に、読者から無料通信アプリLINE(ライン)やメールで40件近い反響が届いた。家族を築くまでの苦労話や、年収にこだわる仕事・結婚観を疑問視する声もあった。

 ▽「派遣」会ってももらえず/女性に経済力は必要です

 男性の婚活に響く「年収300万円の壁」―。この連載記事に三原市の会社員男性(39)は共感する。28歳から5年間で婚活パーティーに70回以上も参加し、100万円近く投じた。

 当時の年収は260万円ほど。「毎回、プロフィル交換の段階で年収フィルターにかけられてアウト。あからさまな態度に出る女性もいて落ち込んだ」。地方都市に在住というだけでも相手にされない「シビアな世界だった」。

 そんな中でも「人柄重視の女性はいる」。33歳の時に今の妻と意気投合し、交際2カ月で結婚。2人の子どもにも恵まれたという。

 婚活で敬遠される介護職の男性の記事に思いを寄せたのは、福祉施設で働く広島県東部のパート男性(47)だ。年収は300万円に届かない。「好きな仕事で誇りもある。誰かの役に立ちたくて仕事を選んでいるのに、そこは見てもらえない」とため息をつく。

 婚活アプリなどでも、年収や仕事をアピールする男性に引け目を感じる。「介護や福祉の仕事の待遇が改善されないと、家庭なんて持てない」と訴える。

 連載では、女性の「稼ぐ力」を求める男性の結婚観も紹介した。妻の年収は500万円が理想。家事・育児は夫婦で完全分担―。この条件に広島市安佐南区の保育士女性(25)は「怒りすら覚えた」とつづる。年収300万円になったばかり。「これでは結婚できない」とこぼす。一方で家事・育児の「完全分担なんて幻想。男性は仕事に逃げるんじゃないですか」と期待を持てない。

 夫と共働きする広島市南区のパート女性(43)は「夫が家事や育児を『手伝う』感覚では分担とはいえません」と強調する。「指示待ちではなく、率先して動いてほしい。妻はお手伝いさんではないんですから」

 結婚を機に正社員の仕事を辞めた。今は中高生の娘2人を育てる。「もっと働きたい」が、母として子どもの帰宅を「おかえり」と迎えたい。「長時間労働では正社員を選べない」と打ち明ける。

 「女性に経済力は必要です」。そう寄せたのは広島市西区の臨時職員(41)。3年前に乳がんを患い、夫と合わせた年収から手術や治療の費用を捻出しなければならなかった。「もしものときに妻も収入がないと。それは自分のためでもあるし家族のためでもある」と今も職場に向かう。

 呉市の正社員男性(43)は結婚を意識した30歳の頃を振り返る。当時は派遣社員で年収約350万円。「お見合いの書類選考で『派遣社員』というだけで6、7回落選。会ってももらえなかった」

 思い至ったのは「自分のスキルアップだった」。職業訓練校で溶接などの資格を取り、製造業の正社員になった。結婚相談所に入会し、36歳で結婚。子どもも授かった。「資格は身を助ける。これが人生のテーマです」と力を込める。

 「収入や正社員かどうかを結婚の条件にするなんて…」。広島市西区のパート女性(48)は疑問を投げ掛ける。連載の中で「ほっとした」のは、最終回で取り上げた尾道市の30代夫婦。ともに非正規で働き、「収入は少なくても日々の時間が宝物」と穏やかに暮らす。

 そんな生き方もある、と中高生の息子2人に伝えたいと女性は言う。「いい大学に入ってほしい気持ちもあるけど、記事の夫婦のような暮らし方や価値観が心のどこかに引っかかってくれたら」と願う。(林淳一郎、ラン暁雨)

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