くらし

予防の手洗い、手荒れに注意 広がる新型コロナ感染

2020/3/10 19:57

 新型コロナウイルスの感染予防のためにいつもよりも熱心に手洗いしている人も多いだろう。そんな中で聞こえてくるのは手荒れの悩みだ。呉医療センター・中国がんセンター皮膚科(呉市)の中村吏江(りえ)科長は「手荒れが起きないように気を付けて。もし手が荒れたら早期に治すことが大事」と強調する。

 ▽小まめに保湿/水分しっかり拭き取る

 手洗いで手が荒れるのは、汚れやウイルスを水で流す際に、バリアーの役割を担う皮脂も流れるからだ。荒っぽく洗うと皮脂の下の角層まで落ちてしまう。アルコール消毒でも皮脂が落ちるのは同じだ。皮脂や角層は体の内外を隔てる最後のとりで。崩れると外の刺激にさらされる。中村科長は「炎症を起こす原因となる花粉やダニなどの『アレルゲン』のほか、細菌なども侵入しやすくなります」と説明する。

 手荒れは皮膚のかさつきから始まる。放っておくと皮膚がつるつるになったり、ひび割れたり、赤く腫れたりする。特に荒れやすいのは指先だ。実は、キーボードをたたくなどの繰り返しの刺激や水仕事、蒸れなども悪化の要因。日常生活にさまざまな刺激があるため、一度荒れると、どんどん悪化することが多い。

 手が痛くなって手洗いがおろそかになると、感染予防ができなくなってしまう。だからこそ予防と早期治療が大切だ。手洗いやアルコール消毒液を使った後のほか、乾燥してきたと感じた時に小まめに保湿しよう。保湿剤が流れ落ちた皮脂の代わりに油膜を張り、皮膚のバリアーの役割を果たす。

 保湿効果は一般的に軟こう、クリーム、ローションの順に高い。ただ軟こうはべたつくのが難点で、クリームやローションの方が使いやすい。「保湿剤は生活スタイルや使いやすさ、値段などを考えて選ぶことをお勧めします」。患者の処置のたびに手を洗う中村科長は、診療中はべたつかないクリームを使い、就寝時には保湿力が高く、値段も安いワセリン軟こうを使っている。

 適量は、塗った後に乾いたティッシュを着けて落ちないくらい。チューブなら人さし指の先端から第1関節までの長さが両手に使う量の目安だ。ただ中村科長は「たっぷり1回より、気軽に何度も塗ることを意識して」と呼び掛ける。

 皮脂はせっけん、お湯、水の順に取れやすい。しかし、冷たい水で不十分な手洗いになるならば、せっけんとぬるま湯でしっかり洗った方がいい。また手洗い後にペーパータオルなどでしっかりと水分を拭き取ることを意識したい。ぬれたままだと、皮膚の水分も一緒に蒸発してしまい、荒れやすくなる。

 皮膚科を受診するタイミングは、保湿剤を使用しても赤みやかゆみが治まらず、どんどんひどくなってくる時だ。赤みやかゆみがひどいときはステロイド薬を塗ったり、抗アレルギー剤を飲んだりする治療が必要なことも多い。(衣川圭) 

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