くらし

新型コロナで続く「自粛生活」 ちゃんと動いて、ちゃんと食べよう

2020/3/19 19:52
イラスト・大友勇人

イラスト・大友勇人

 シニア世代の皆さん、新型コロナウイルスの感染予防のために家に閉じこもり、生活リズムが崩れていませんか。日本老年医学会は、高齢者に向け「動かないことで身体や頭の働きが低下してしまう」と警鐘を鳴らす。地域の健康体操なども休みとなり、先の見通せない「自粛生活」での心身の衰え(フレイル)を防ぐため、「運動」「食事」「会話」を意識したい。

 ▽高齢者の「生活不活発病」に注意

 広島市安佐北区のおきた内科クリニックの沖田英明院長(61)は、同学会の老年病専門医でもある。「一日中テレビばかりを見ていて体を動かさなかったら、筋肉が弱ってしまう」と自粛生活を心配する。動かない状態が続くと、心身の機能が低下して動けなくなる「生活不活発病」を引き起こしてしまうからだ。

 高齢者の場合、1週間寝たきりで過ごすと筋肉量が10〜15%落ちるというデータがある。関節も固まってしまう。新型コロナウイルスの感染予防は大切だが、外出を控えるなどして運動量が減り過ぎると、かえって健康を害する恐れがある。介護の必要な状態に一気に進むこともあり、注意が必要だ。

 心身の衰えが進む大きなきっかけは、筋肉の萎縮と低栄養だ。「動かない」→「おなかがすかない」→「食べないので筋肉が細る」→「動きたくなくなる」。そんな悪循環に陥ることが何より怖い。体重の減少は警告のサインと受け止めよう。日本老年医学会は、自粛生活の中で心掛けたい四つのポイントを紹介している。

 第1は運動だ。動かずに座ったり、寝転んだりしている時間を減らそう。テレビのコマーシャル中に足踏みするなども有効だ。ラジオ体操も筋肉の萎縮を防ぐ。沖田院長は「膝の痛い人は、椅子に座ってストレッチや筋トレをしてもいいですよ」と勧める。天気が良ければ、散歩するなど屋外で体を動かしてもいい。ただし人混みは避けよう。

 2番目はバランスの良い食事。朝、昼、晩の3食、肉や魚、卵などのタンパク質を意識して取りたい。食べやすいからといってうどんなどが続くと、かむ力が弱ってしまう。配食サービスを頼むのも一つの方法だ。

 口の中を清潔に保つことが3番目のポイントだ。毎食後や寝る前に歯磨きを徹底しよう。歯周病から全身が弱ることもある。鼻歌を歌ったり、早口言葉の練習をしたりするのもお勧めだ。

 4番目は支え合いを心掛けること。こうした非常事態のときこそ、家族や近所の人との交流を大切にしたい。近くにいる人と世間話をしたり、家族と電話で話したりしてもいい。沖田院長は「孤独感は生活の意欲も奪ってしまう。『運動してる?』『ちゃんと食べてる?』などと声を掛け合ってほしい」と促している。(衣川圭) 

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  • 「こうした時期こそ筋肉を蓄える『貯筋』に努めて」と呼び掛ける沖田院長(広島市安佐北区)

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