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介護に育児に荒波の12年 広テレのアナウンサー馬場さんが本出版【動画】

2020/3/29 19:15
「介護で悩んだり苦しんだりしている人に、あなただけじゃないよと伝えたい」と話す馬場さん=広島市東区の広島テレビ(撮影・大川万優)

「介護で悩んだり苦しんだりしている人に、あなただけじゃないよと伝えたい」と話す馬場さん=広島市東区の広島テレビ(撮影・大川万優)

 広島テレビのアナウンサー馬場のぶえさん(45)が、実母かをるさんを自宅と施設で介護した12年間を振り返った「ドタバタかいご備忘録」を自費出版した。仕事や育児をしながらパーキンソン病の母の世話を続けた荒波のような日々を、飾らない言葉でつづる。馬場さんに、初の著書に込めた思いを聞いた。(標葉知美)

 ▽仕事で頭をリセット/苦しみや不安、今なら

 ―29歳から画面の向こう側で介護、育児のダブルケアをしていたのですね。

 2004年に長女が生まれ、育児休業中に母を広島に呼び寄せて同居しました。乳児の世話をしながら、母の着替えをさせたり、昼夜を問わずトイレなどの介助をしたり。寝られないのがとにかくつらかった。

 母にきつく当たり、いらいらした態度を取ってしまい…。「マンションの14階から飛び降りたら抜け出せるかな」と思うほど追い詰められたこともありました。

 ―著書には壮絶な日々が描かれています。アナウンサーを辞めようとは思いませんでしたか。

 10カ月休んで仕事に復帰し、むしろ少しずつ自分のペースを取り戻せたんです。仕事には助けられた面が大きかった。パーキンソン病で手足のしびれやうつ症状が進み、さらに認知症も発症していらいらする母と気まずくなっても、仕事に行けば頭をリセットできた。母から離れる時間が必要でした。

 ―自宅で3年介護した後、お母さんを病院やグループホームに9年預かってもらったんですね。

 初めは母を預けたことを周りの人に言えませんでした。親不孝と思われる気がして、罪悪感と劣等感が長くありました。「仕事をしていなければ」と思ったこともあります。でも、できる限りのことがしたかった。平日の午前中、会社に行く前に施設に行き、なるべく顔を見に行くようにしました。最期の日々はグループホームでした。もう会話が難しくなっていたのに「ごめんの。お母さん、迷惑掛けて」と漏らした母の一言が忘れられません。

 ―大変だったと思いますが、エネルギーの源は何でしたか。

 子どもの頃から私はアナウンサーになるのが夢でした。そんな私に母は「あなたならなれる!」と、いつも魔法の言葉をかけてくれた。母は、病気が悪化しても自宅や施設で私が出演する番組を楽しみにしてくれていた。その姿は、とても励みになりました。母と仕事、どちらかは選べませんでした。

 夫も一緒に悩み、母のトイレの介助もしてくれました。同志、でした。子どもたちも母を大切にしてくれた。家族がいたから乗り越えられました。

 ―なぜ介護体験を本にしようと思ったのですか。

 母が16年8月、68歳で亡くなり、経験を記録として残したいという思いが強くなりました。それで、長女が生まれてから続けている育児ブログの中で、不定期の備忘録を始めました。仕事の合間や移動中に少しずつ書きためました。

 すると渦中にいたときは周囲に明かせなかった苦しみや不安も、冷静に振り返ることができたんです。読者から共感の声をいただき、自費出版を決めました。

 ―広島の書店の週間ベストセラーで、著書が2位に入っています。

 思い通りにいかないのが介護。わたしもそうでした。でも、母のおかげで介護保険サービスや施設の選び方、アドバンス・ケア・プランニング(望む治療やケアについて本人が元気なうちに家族と話し合うこと)など多くを学びました。本には、あのときああしていれば、こんな情報があれば、という気付きを盛り込みました。介護に関わる人に少しでも役に立てたらうれしいです。

 ばば・のぶえ 1975年福井県生まれ。97年に広島テレビ入社。3度の育児休業を挟みながら20年以上夕方のワイド番組を担当。現在は月曜から金曜に放送中の「テレビ派」キャスターとして活躍している。廿日市市在住。15歳、12歳、8歳の2男1女の母親。

 ◇「ドタバタかいご備忘録」

 母かをるさんがパーキンソン病を発症してから亡くなるまでを全9章で文章と写真で伝える。2017年から19年にかけて広島テレビホームページ内の馬場さんのブログ「のぶえのドタバタいくじにっき」につづった介護の備忘録をまとめた。ブログにはない母や父省二さんとの思い出を書いたコラムも付けた。表紙のイラストは馬場さんの長女KOHARUさんが担当。四六判。1100円。ザメディアジョン刊。

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  • 「ドタバタかいご備忘録」
  • 母かをるさん(右)の大好物だったカレーライスを食べさせる馬場さん(2011年4月、著書から)

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