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「五輪って何」本質を絵本に 詩人アーサー・ビナードさん 織田幹雄さん通して描く

2020/4/12 13:24
織田幹雄さんの人生を通じて五輪の本質を描いた絵本「そもそもオリンピック」

織田幹雄さんの人生を通じて五輪の本質を描いた絵本「そもそもオリンピック」

 五輪って何なのか、広島県海田町出身の日本人初の五輪金メダリスト、織田幹雄さんの姿を通して描いた絵本が刊行された。タイトルは「そもそもオリンピック」。広島市に拠点を置く詩人アーサー・ビナードさんの文と絵本作家スズキコージさんのダイナミックな絵で「風とともに跳ぶ」アスリートの喜びを伝える。

 絵本の語り手は「風」だ。何十万年も前に「ヒト」が走りだし、ギリシャで古代五輪が始まった歴史へと読者をいざなう。そして1905年、「ミキオ」が生まれる。海田町で育ち、陸上三段跳びのオリンピアンに成長するまでを、力強いタッチの極彩色で画面いっぱいに描く。

 「ピョォォォンと とべば プレッシャーが おちて きにならない……ピョドォォォンと とんだら コーチのことも スルッと おちて きにならない……ドピョォォォンと とんだら オリンピックも おちて かるく ドッズン!」

 軽快なリズムの文が、プレッシャーに負けず跳び続ける姿を映し出す。1928年のアムステルダム五輪。ミキオは、ついに風と一体になって金メダルを獲得する。

 制作に当たり、ビナードさんは海田町などで取材を重ねた。跳ぶことに魅せられた織田さんの生き方に触れ、フェアプレーとスポーツへの愛という五輪の本質が、風化しているのではないかと感じたという。巻末には、こんな織田さんの言葉を引用する。「スポーツにはスポーツの理論がある。(中略)政府や周りの思惑でどうのこうのと左右されることはない」

 東京五輪が延期となり、ビナードさんは「五輪の在り方を考え直す期間になったらいい」と語る。

 34ページ。玉川大学出版部刊、1980円。(標葉知美)

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  • 「そもそもオリンピック」を刊行したビナードさん
  • 「そもそもオリンピック」で紹介している中等学校時代の織田幹雄さんの写真(1922年、海田町教育委員会提供)

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