くらし

家庭の消毒対策、物には漂白剤活用

2020/4/21

 新型コロナウイルスの感染を防ぐため、家庭でどんな消毒対策ができるのだろう。アルコール消毒液の品薄が続く中、国は市販の漂白剤を活用した代用品作りなどを呼び掛けている。ただ、専門家は「作り方や使い方に十分な注意が必要」という。ポイントをよく踏まえて効果的な感染予防につなげたい。

 ▽「塩素系」は素手で触らない/手洗いはせっけんで十分

 厚生労働省と経済産業省が促すのが、塩素系漂白剤を薄めた消毒液作りだ。水1リットルに入れる分量は商品ごとに異なり、付属のキャップ1杯(25ミリリットル)か、2分の1杯(10ミリリットル)とされている。主成分の「次亜塩素酸ナトリウム」による消毒力が、手すりやドアノブに付いた新型コロナウイルスに「有効」としている。

 塩素系漂白剤は危険な成分も含んでいる。薄めても目に入れば失明する恐れがあり、手に付くとガサガサに荒れてしまう。「絶対に手や指の消毒には使わないで」と広島文教大の西山美香准教授(保健学)は強調する。消毒液を作る時は家事用の手袋の着用が欠かせない。効力が長持ちしないため、使うたびに必要な量を作るのもポイントだ。

 西山准教授は、使う時の注意点も挙げる。作った消毒液はバケツなどに入れて薄いタオルを浸し、絞って拭く。換気に気を付け、スプレー容器で噴霧するのは避けた方がいい。吸い込んで気管支などが炎症を起こしかねない。金属製品などを拭くと変色や腐食することがあるため、きれいな布で水拭きもしておこう。

 知っておきたいのが、塩素系漂白剤の「次亜塩素酸ナトリウム」と呼び名がよく似た「次亜塩素酸水」との区別だ。次亜塩素酸水は消毒力がありながら、人への害が少ない。市販品もあるが、医療機関などで作られることが多く、歯科のうがい水や皮膚科の消毒に使われている。

 次亜塩素酸水は安全性が高く、手や指のウイルス消毒に代用できるとみられていた。ただ経産省は一部商品について手や指に適用できるとし、主にはドアノブやテーブルの消毒に「有効な可能性がある」としている。こうした最新の情報を参考にしながら使っていくのがよさそうだ。

 では、手や指のウイルス対策はどうすればいいのだろう。丁寧に手洗いをすれば、アルコール消毒液を使う必要はない―。厚労省と経産省はそう呼び掛けている。消毒ではなく、ウイルスを洗い流す「除去」で十分な効果があるとみる。

 モデルとして、せっけんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐ手順を示す。手洗いをしない場合は残存ウイルスが約100万個に上るが、1回の手洗いで数十個、2回洗うと数個に減るという。

 「外出先からの帰宅時などはもっと丁寧な手洗いを心掛けてほしい」と西山准教授は求める。手の甲や手首、爪の間もしっかりと洗う。ただし、皮膚が荒れないよう手洗いのしすぎは要注意だ。「一人一人の取り組みが積み重なれば感染が抑えられ、ウイルスへの不安も和らぐはずです」と話している。(林淳一郎)

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