くらし

【この働き方大丈夫?】第3部 テレワークのうねり<5>環境づくりは工夫のたまもの

2020/6/1 20:12

 自宅が「職場」になるテレワーク。住宅事情が厳しい街中に暮らす家族にとっては悩ましい問題だ。企業側も社員の運動不足などを心配する。そこをどう乗り切るか。創意工夫に富んだ家庭と職場をのぞいた。

 ▽快適な空間、親子でルール 広島・中区の桂木さん家族

 広島市中区の会社員桂木公枝さん(47)は6人家族。夫婦とも4月からテレワークに入り、4人の子どもたちの休校も続いた。家族みんなが家にいても、仕事や勉強に集中するにはどうすればいいか。「快適な空間をつくるために、アイデアを出し合ったんです」と振り返る。

 自宅マンションは約90平方メートルの3LDK。リビングと二つの子ども部屋、寝室という間取りだ。計4部屋を6人で使うので、1人1部屋は確保できない。

 まず取り組んだのは、デジタル基盤の整備。6人で「Wi―Fi(ワイファイ)」を使うと回線が不安定になるので、有線LANを引き、リビングの2カ所で使えるようにした。夫は仕事が効率よく進むよう、パソコンのモニターを2台備えた。

 次に考えたのが、誰がどこのスペースを使うか。リビングは夫婦の仕事空間にした。「机を離して置き、個人の空間を確保しています」と桂木さん。狭くても集中できる場所があると、事務作業やウェブ会議が快適になるという。

 子ども4人のスペースは、決める前にそれぞれのスケジュール表を作成。オンライン授業などで1人になる必要がある場合に、個室を優先的に使うルールを作った。ある日の日中は、オンライン授業がある高校生の長女が個室を利用。その間、リビングで中学生の次女が課題に取り組み、食卓で関西の大学から帰省中の長男がオンライン授業を受ける―といった具合だ。

 家族の生活リズムを合わせることも心掛けた。リビングを効率よく使うため、朝8時半までに家事と朝食を済ませている。昼食も時間を決めて、全員で食べるようにした。

 在宅ならではのお楽しみもある。昼食は6人分を作ると大変なので、家族が好きな店の弁当をテークアウトする。「時には手抜きも必要。日替わりでプロの味を食べられるのもうれしい」と桂木さん。通勤の手間がない分、夕食は余裕を持って用意できる。食事の支度もめりはりを付けるとストレスがたまりにくいよう。「6人家族でも環境を整えてルールを作ったら、何とか乗り切れました」

 ▽自宅で「オフィトレ」、体ほぐす 広島・佐伯区のソフトウエア開発会社

 肩を上下に、次は膝を軽く曲げて―。広島市佐伯区にあるソフトウエア開発のシステムフレンド本社。大型テレビの前で女性講師が呼び掛け、リモートの「オフィトレ」(オフィストレーニング)が始まった。画面の向こうで体を動かすのは、オンラインでつながる在宅勤務中の社員たちだ。

 「テレワークで通勤がなくなって、みんな運動不足になりがち。オフィトレで体と気持ちがしゃきっとして、仕事にもめりはりがつきます」と取締役の岡本麻依さん(37)は話す。オフィトレは約15分。朝礼後や、眠気や疲れが出そうな午後3時に組み込んでいる。

 社員は東京支社を含めて35人いる。在宅勤務は1月末、東京から少しずつスタートした。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4月半ばから広島本社の全員も在宅に切り替えた。

 やがて、社員から「運動がしたい」「腰が痛い」という声が出始めた。「健康づくりも会社の責任ですから」と取締役の東有明さん(52)。本社の一室に社員が集まって昨年から始めていたオフィトレのリモートバージョンを思い付いた。

 テレワークの社内アンケートを実施すると、「オンライン上では聞きにくいことがある」との意見も届いた。いつもミーティングに使うテレビ会議に「雑談部屋」を開設。仕事でうまくいかないこと、子どもとの過ごし方…。休憩時間や終業後に「入室」して会話を楽しみ、画面越しにハイタッチを交わす社員もいる。

 「ちょっとした工夫でテレワークも随分やりやすくなる。みんなで課題を見つけて改善していけば、コロナの第2波が来てもうまく取り組めるはず」。東さんはそう力を込める。(ラン暁雨、林淳一郎)

    ◇

 【課題やストレス どう対処しましたか】

 在宅勤務の課題やストレスを解消するために、家庭や職場でどんな工夫をしましたか。皆さんの体験談やアイデアをお聞かせください。連載へのご意見、ご感想もお待ちしています。一部を紙面で紹介する予定です。

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  • オンラインでつながって行う「オフィトレ」。女性講師(右)に教わりながら、画面の向こうの社員たちも取り組む(広島市佐伯区のシステムフレンド本社)

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