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我慢限界「コロナ離婚」 外出自粛で一緒の時間増え…価値観の不一致表面化

2020/6/7
5月下旬に離婚した広島市南区の女性(左)。子ども3人を1人で育てていく決意だ

5月下旬に離婚した広島市南区の女性(左)。子ども3人を1人で育てていく決意だ

 新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、離婚危機に陥るケースが出始めている。もともと感じていた性格や価値観の不一致が、家にいる時間が長引くことで表面化し、夫婦関係の破綻につながっているようだ。

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 5月下旬、広島市南区の40代女性は離婚届を出し、約10年の結婚生活を終えた。「娘が生まれた4年ほど前から違和感があった。離婚は時間の問題だったけど、コロナが決定打になりました」と振り返る。

 自営業の元夫は、これまでは月の半分が県外出張で不在だったが、新型コロナの影響が出始めた2月ごろから仕事が減った。家にいることが増えたのに、幼い3人の子どもの面倒は見ない。外に連れ出して遊ぶことも一切なかった。

 自室にこもって休業補償について調べるか、趣味のゲームに没頭する日々。夜7時から翌朝5時まで画面に向かう。手を止めるのは夕食の間だけで、子どもが近づくと「ゲームの邪魔」と追い払った。「経済的な不安からの現実逃避なのかもしれないけど、情けなくて…。こんな父親の背中を子どもに見せたくない」と離婚を決意した。

 ▽小言にうんざり

 今まで家事や育児の分担を頼んでも「俺は稼いでいる。誰のおかげで生活できてるんだ」と頭ごなしに言われた。女性が自立の一歩として調理員のパートを始めてからは「家が片付いとらん」「帰りが遅い」という小言にうんざりした。6月から子どもたちと新居で暮らすが、引っ越しも手伝ってくれなかった。

 コロナ予防への意識の違いが浮き彫りになり、離婚が現実味を帯びてきたケースもある。安佐南区の女性(44)は「夫の無神経さに失望した」とため息をつく。

 感染が広がった3月以降、女性は買い物以外は極力家で過ごした。でも在宅勤務になった夫は「息が詰まる」と頻繁に外出し、パチンコにも行っていた。マスクもせず、帰宅後の手洗いを面倒くさがる。注意しても「ただの風邪じゃん」と意に介さない。

 許せなかったのは大型連休中に関西の実家に帰省したことだ。他県への移動自粛が求められていたのに「車だから大丈夫」の一点張り。小学生の娘まで連れて行こうとした。口論の末、夫は1人で帰った。自分の考えを優先する態度にあきれ「離婚がちらつきました。家族を大切にしない父親は要らないです」。

 夫は6月から通常勤務に戻ったが、女性は感染の第2波が来て「夫がまたずっと家にいるのは耐えられない」と話す。最近は友人と電話しても互いの夫の愚痴ばかり。本格的に別れ話を始めた人もいる。

 東京の民間会社が4月末に10〜50代の男女を対象に行ったネット調査では、3割以上がコロナがきっかけで「離婚を考えるようになった・なりそう」と回答。在宅勤務の夫が家事・育児を手伝わないことや、経済的理由などからくる夫婦げんかが原因になっていた。

 ▽DVも増加傾向

 離婚問題を扱う広島市内の弁護士やカウンセラーの元にも「感染が広がる東京に遊びに行った夫と別居した」「一緒にいる時間が増えて妻の不倫に気付いた」「収入が減った夫が家族にイライラをぶつける」といった相談が寄せられている。

 家族問題に詳しい広島弁護士会の寺西環江弁護士(39)は「もともと関係に溝が生じていた夫婦が多く、コロナによる環境変化で一気に亀裂が広がった」と指摘。景気が悪化すれば離婚はさらに増えるとみる。ドメスティックバイオレンス(DV)も増加傾向で「一人で抱え込まず専門機関に相談してほしい」と呼び掛けている。(ラン暁雨) 

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