くらし

正しく理解、上手に実践 新しい生活様式

2020/6/9 19:01
席の間隔を空けて営業する居酒屋。「売り上げが苦しい」と嘆く声が上がる(広島市中区)

席の間隔を空けて営業する居酒屋。「売り上げが苦しい」と嘆く声が上がる(広島市中区)

 食事は横並びでおしゃべりは控えめに―。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために国が先月初めに示した「新しい生活様式」には、こうした実践例が箇条書きで連なる。ただ「すべて実践するのは難しい」「息苦しい」などの声も上がる。私たちはいつまで、どこまで実践すればいいのだろう。

 ▽感染状況で対応変更も/手洗い徹底

 飲食店が悩むのは、人と人との間隔を2メートル(最低1メートル)空ける項目。売り上げに直結し、「経営がしんどい」と嘆く。保育園や幼稚園は「子どもたちにくっついて遊ぶなと言っても難しい」、市民ランナーは「走っている時のマスクは蒸れて苦しい」とさまざまな場面で悲鳴が上がる。

 新しい生活様式は、国の専門家会議が約50項目にまとめた。手洗いなどの基本に加え、買い物や食事など場面別に細かく示す。内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策推進室は「現実的でないという声も聞くが、感染予防に有用なので守ってほしい」と呼び掛ける。では、どのように取り入れたらいいのだろう。

 「示された行動の一つ一つがなぜ必要なのか、それぞれの意味をまず理解しましょう」。感染症に詳しい呉市の医師、渡辺弘司さんは訴える。というのも、感染予防策を誤解して実践しているケースがあるためだ。

 例えば、普段はマスクを着けているのに会議で発言する時だけ外したり、誰もいない場所で着用して息苦しいまま走ったり。飛沫(ひまつ)が他の人に飛ぶのを防ぐ目的と行動がマッチしていない。人前でしゃべる時こそマスクが必要な一方、他人にうつす心配がない場所で着けなくてもいい。

 地域の感染状況によって、どこまで実践するかの度合いを変える必要もありそうだ。実際これまで、外出自粛や休校も、地域によって異なる対応をしてきた。

 広島県感染症・疾病管理センター(広島市南区)の桑原正雄センター長は「あまりに縛られ過ぎては、緊急事態宣言を解除した意味がなくなってしまう。しかし、近くの北九州市では感染が増えるなど、状況も刻々と変わる。リスクが迫ったときは警戒レベルを上げてほしい」と主張する。例えば、感染が広がってきたらテレワークの回数を多くするなど工夫が必要という。

 もう一つ、忘れてはいけないのが、手洗いの徹底だ。広島大病院(南区)感染症科の大毛宏喜教授は「感染症予防で、最も大切な基本が手洗い。マスクを外した後に、きちんと手を洗っているか、点検してほしい」と話す。

 「外出先では特に、おろそかになりやすい」とも指摘する。バスや電車の手すり、買い物かご、エレベーターのボタン、公園の遊具…。手で触る場所にウイルスは付いているかもしれないと用心したい。「手洗いは風邪やインフルエンザの予防にもなり、継続してほしい」と訴える。(桜井邦彦、衣川圭) 

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