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【新型コロナ みんなで乗り切る】認知症予防、体と頭鍛えて 鳥取大・浦上教授「プログラム」実践提唱

2020/6/11

 ▽外出控えで悪化の懸念

 新型コロナウイルス感染拡大の影響は、高齢者の認知症予防にも及んだ。懸念されるのが、外出控えによる認知機能の低下だ。「生活リズムを少しずつ立て直してほしい」。日本認知症予防学会理事長で鳥取大医学部の浦上克哉教授は、適度な運動と、思考力などのトレーニングを組み合わせた予防プログラムの実践を呼び掛ける。14日は認知症予防の日。

 認知症予防の取り組みについて、浦上教授は「自転車をこぐのと似ている」と話す。いったん動きだすとスムーズに進むが、こぎ始めは相当のエネルギーが要る。新型コロナの影響で外出自粛が続き、地域の介護予防教室なども軒並み中止になった。「あまり運動や会話をしない暮らしに慣れてしまうと、元の生活リズムを取り戻すのが難しくなる」と指摘する。

 運動量が減ると、体の柔軟性や筋力が落ちて転びやすくなる。足腰を痛めたら運動量にとどまらず、気持ちも落ち込んでしまう。認知機能の低下を招き、軽度認知障害(MCI)や認知症の発症、進行につながりかねない。そこで浦上教授が勧めるのが、自ら開発に携わり、自宅でも実践できる「とっとり方式認知症予防プログラム」だ。

 まずは30分ほどの運動プログラムから始まる。準備体操と有酸素運動、筋力運動、整理体操があり、いすに座ったままでも取り組める。肩甲骨や胸のストレッチ、前屈、上半身を左右にひねる運動…。足踏みや少し腰を浮かすスクワットなどメニューは多彩だ。一連の動作は鳥取県長寿社会課のホームページ(HP)に動画で紹介している。

 体を動かした後は、知的活動プログラムに励む。注意機能や思考力、判断力などテーマは八つ。それぞれの「機能」「力」を使うトレーニングとして、川柳や塗り絵、手芸、年間カレンダー作りなどを挙げる。

 「HPをパソコンなどで見るのが不慣れな人は、家族や知人にサポートしてもらって挑戦してほしい。できるメニューだけでも毎日取り組んでもらえれば」と浦上教授は求める。

 予防プログラムは2016年度、鳥取大や鳥取県が連携して開発した。17年10月から2年間、同県伯耆町の高齢者136人を対象に効果を検証。認知機能の改善がみられたほか、身体機能も柔軟性や筋力のアップが確認できたという。

 浦上教授が危ぶむのは新型コロナの第2波だ。「認知症はQOL(生活の質)を低下させる病気。コロナをきっかけに認知症を発症して、つらい思いをしないためにも、日頃から予防対策を心掛けることが大切です」と話している。(林淳一郎)

    ◇

 HPでは、知的活動プログラムの塗り絵の台紙などを掲載。浦上教授たちが認知症について解説する座学プログラムの動画もある。 

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