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ママと子をつなぐ宝物 母乳ジュエリー、岡山・吉備中央のデザイナー栃原さん制作

2020/6/22 19:42
母乳やへその緒、産毛を材料にした「母乳ジュエリー」

母乳やへその緒、産毛を材料にした「母乳ジュエリー」

 ▽授乳期の思い出を形に

 母乳で作るアクセサリーがある。母親になったときの喜びを形にした「母乳ジュエリー」。乳白色の楕円(だえん)形や丸形のビーズが優しく輝く。オーストラリアで技術を学んだジュエリーデザイナー栃原(とちはら)悠希さん(40)が、昨年から岡山県吉備中央町で制作を始めた。わが子と自分をつなぐ「宝石」として注目を集めている。

 母乳ジュエリーは、母乳を粉末にして作る。紫外線で固まる特殊な樹脂「レジン」と混ぜ、直径1センチ前後のビーズ型に流し込んで固める。母乳30ccが1〜3個分になる。「母乳の色は人それぞれ。真っ白もあればクリーム色になることもあり、世界で一つだけの宝物になります」と栃原さん。希望があれば、産毛やへその緒を入れることもできる。

 人気が高い楕円のビーズは淡いピンクやブルーなどの色が付けられ、ブレスレットやネックレスのチャームになる。イヤリングや指輪に加工もできる。育児の思い出の品として、親子がペアで持つお守りとして注文する人が多いという。

 栃原さんが母乳で作るアクセサリーを知ったのは5年前。オーストラリアで結婚し、2人目の子どもを授かったときだ。ママ友が見せてくれたミルク色の真珠のような石が入った指輪に一瞬で心を奪われた。「母乳をこんなきれいな形で残せることに驚いた。私も絶対に欲しいと思いました」

 日本ではへその緒を残すのが一般的だが、欧米では母乳や産毛をアクセサリーにする人が増えている。オーストラリアの母乳ジュエリーの専門学校で技術を学び、2017年に母乳ジュエリー制作会社「ソリッド ラブ」を設立。19年に岡山に拠点を移した。

 写真共有アプリ「インスタグラム」で魅力を発信すると、瞬く間に注文が増えた。多い時は月300件の依頼がある。郵送される母乳の多くは手紙が添えてあり、それぞれの母親に育児のストーリーがあることに気付かされるという。

 母親が職場復帰するため卒乳記念に欲しいという声もある。自らが感染症で赤ちゃんに母乳をあげられない女性からの依頼もある。中には、赤ちゃんを亡くし「わが子がこの世に存在したことの証しにしたい」とつづる人もいた。

 届いた手紙は千通を超える。栃原さんは、母から子への思いを想像しながら一つ一つを手作りする。年月が経過しても変色しにくいように独自の特殊な加工も施す。「母乳で子どもとつながる限られた時間を形にして、心のエネルギーにしてもらえたら」と願う。(文・標葉知美、写真・井上貴博)

 栃原さんTel090(7135)3916。ウェブサイトはhttps://www.solid-love.net/

この記事の写真

  • 「母乳ジュエリーのような愛情の残し方があると知ってほしい」と話す栃原さん(岡山県吉備中央町)
  • イヤリングやネックレス、楕円形のチャームなど多彩な種類がある
  • ジュエリーとなる母乳の粉末

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

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