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【#輪になれ広島】乳がん支援「新しい様式」で

2020/6/23 19:46
ひろしまピンクリボンプロジェクトのサイト「乳がんいつでもなんでも相談室」

ひろしまピンクリボンプロジェクトのサイト「乳がんいつでもなんでも相談室」

 ▽ウェブになんでも相談室/無観客フォーラム生配信

 新型コロナウイルスの感染が広がり、患者団体は学習会などを開きにくい状態が続いている。重症化を懸念し、感染への警戒感が強い患者や家族が少なくないからだ。そんな中、密を避ける工夫を凝らした「新しい様式」の活動も始まっている。広島市内では乳がん患者を支える団体が、インターネット上での無料相談や「無観客」講演の生配信で、最新の治療情報を提供している。

 NPO法人ひろしまピンクリボンプロジェクト(中区)は、乳がん治療に関する情報を提供してきた月1回のサロンを3月から休んでいる。感染を防ぐため、再開予定は10月。それまでの間、主に患者の疑問に応えているのは、ネット上の「乳がんいつでもなんでも相談室」だ。

 相談室では、広島県内の乳腺外科医や放射線診断医たち20人がボランティアで、寄せられた質問に回答している。昨年11月に開設していたが、新型コロナの感染が広がった4月以降に全国から相談が増えた。回答の掲載件数はこれまでに130件を超えた。

 ウェブサイトでは、質問を「化学療法」「乳房再建」「妊娠」など21項目に分けて回答を掲載。「コロナ感染症」の項目では、感染した際の重症化を懸念する青森県の女性(48)の相談に「化学療法などの治療を受けて何年か経過しているなら一般の人と同じ手洗いなどの予防で大丈夫。ホルモン療法中でもリスクは上がらない」と答えた。

 女性は「2人の子どもがいてまだ死ぬわけにはいかないと思い、心配だった。回答で少し安心できた」と言う。同法人理事長の角舎学行医師は「身近な人に相談できないこともある。出歩きにくい時期だからこそ、ネットを通じて患者さんたちの不安の解消に役立ちたい」と意気込む。

 NPO法人乳がん患者友の会きらら(中区)は今月上旬、最新の薬物療法を紹介する「きらら乳がんフォーラム」を、聴講者を入れずに中区の広島県民文化センターのホールで開き、生配信した。講演の動画はウェブサイトで公開している。

 県内の医師8人が「転移・再発乳がんの治療」「乳がんの『ゲノム医療』」などをテーマにカメラに向かって話した。フォーラムは2005年から毎年開いているが無観客はもちろん初めて。同法人の中川圭理事長は「医療講演会も延期や中止が相次ぐ。情報を求めている患者さんたちの思いに応えたい」と話している。(衣川圭) 

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  • きららがホームページ上に公開している無観客フォーラムの講演

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