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【新型コロナ みんなで乗り切る】受診控えで虫歯や歯周病増加の懸念 歯科医院、感染対策に力

2020/6/28
フェースシールドを着けて診療する歯科医院(広島市中区)

フェースシールドを着けて診療する歯科医院(広島市中区)

 新型コロナウイルスの影響による「受診控え」が歯科でも目立つ。歯科医からは口の中が不衛生になり、虫歯や歯周病が増えると懸念する声が上がる。特に子どもは長期休校による食生活の乱れや、学校の定期健診延期などでリスクが高まりやすい。安心して来院してもらうため、広島県内の歯科医院では感染対策に力を入れる。

 ▽9割以上が患者減少

 フェースシールドにマスク、手袋を着用して治療に当たるのは、広島市中区の千田町歯科クリニック。口の外に飛び散るしぶきを吸い込む機械も導入している。

 3月以降、念入りなコロナ対策を行って診療を続けてきた。受付にビニールカーテンを備え、検温や問診で患者の体調を確認。換気のために窓とドアは開け放つ。診察台の椅子は除菌スプレーをして、診察衣も小まめに洗濯する。それでも4、5月は受診控えが急増した。緊急性のない治療や検査を延期した影響もあり、5月の患者は例年の約半分に落ち込んだ。

 広島県歯科医師会が5月下旬にまとめたアンケートでは、歯科医院873カ所のうち9割以上が「4月の患者数が昨年と比べて減少した」と答えた。患者が半分以上減ったケースも2割あった。

 ▽休校で乱れた食生活

 歯科医療の現場では患者との距離が近い。歯を削る際に唾液や血液を含んだ飛沫(ひまつ)が飛び散りやすく、以前からB型肝炎などの感染症対策に力を入れてきた。県歯科医師会の山崎健次専務理事(59)は、「治療を通じたコロナ感染はこれまで確認されていない。きちんと対策をすれば、治療が原因で感染が起こることはありません」と強調する。

 コロナによる生活の変化で、子どもの歯にも影響が出ている。安佐南区のたんぽぽ小児歯科では、口の中が糖分で粘つき、食べかすが残る「虫歯予備軍」の子どもが目立つようになったという。

 小児歯科専門医の達川伸行院長(35)が保護者に聞くと、8割以上が「外出自粛で菓子やジュースの摂取量が増えた」と答えた。在宅勤務中の親が子どもを静かにさせるために甘い物を与えるケースもあり、口の中にずっと食べ物がある「だらだら食べ」状態になっている子が多い。

 休校や休園で規則正しい生活が崩れ、例年4〜6月に行われる歯科健診が延期になった自治体もある。達川院長は「虫歯の早期発見が難しくなった。痛くなってから受診すると、症状が悪化していることが多い」と危惧する。乳歯の虫歯を放置すれば、永久歯にも虫歯が出やすくなる。「予防のためにも、かかりつけ歯科で定期的にチェックすることが大切。保護者は子どもの歯の様子をよく観察してほしい」と訴える。

 ▽「重症化前に相談を」

 高齢者も注意が必要だ。受診控えによる治療の中断は、別の病気を引き起こしやすい。口腔(こうくう)環境が悪化し、誤嚥(ごえん)性肺炎などにつながる恐れもある。

 また、巣ごもり生活のストレスや会話の減少で唾液の分泌が減ると、虫歯や歯周病のリスクが高まる。県歯科医師会の天間裕文理事(55)は「口のケアを怠ると免疫力が低下する。受診をためらわず、重症化する前に相談してほしい」と呼び掛けている。(ラン暁雨)

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  • 達川院長(右)に歯磨きの仕方を教わる親子(安佐南区)

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