• トップ >
  • くらし >
  • くらし >
  • 【新型コロナ みんなで乗り切る】密避け楽しむ「プチ農業」 市民菜園に若い世代増

くらし

【新型コロナ みんなで乗り切る】密避け楽しむ「プチ農業」 市民菜園に若い世代増

2020/7/3
ニンジンを収穫する大下さん、中井さん一家(広島市安芸区の市民菜園)

ニンジンを収穫する大下さん、中井さん一家(広島市安芸区の市民菜園)

 中国地方で市民菜園を借りて「プチ農業」を始める若い世代が増えている。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、密を避けられる屋外の趣味として人気を集める。収穫した作物を日々の食材として使い、買い物に出掛ける回数を減らせるのも魅力のようだ。

 ▽気分転換 買い物減にも

 ミニトマトにキュウリ、ナス…。広島市安芸区の菜園では夏野菜の収穫が真っ盛りだ。近くの主婦大下綾子さん(37)はこの春、友人の保育士中井麻由さん(40)たちと3家族で菜園約20平方メートルを借り、農業を始めた。コロナの影響で学校が休校になった頃だった。

 菜園では親子で農作業をするだけでなく、子どもたちは泥団子を作って遊んだり、手動ポンプで水をくんだりして楽しんだ。小学2年の大下由悟(ゆうご)君(7)は「野菜が大きくなっていくのが楽しかった」と笑顔。同級生の中井寛太君(8)は「ジュクジュクが嫌だったけど、僕たちのトマトは甘い」とトマト嫌いを克服して喜ぶ。

 「畑仕事は子どもたちの気分転換になり、買い物の時間も省けて一石二鳥」と大下さん。畑の面積を広げることを計画中だ。

 この広島市市民菜園の利用者は、遊休農地を管理するNPO法人広島エコ果樹菜園(西区)が公募。広さや立地、設備によって、1区画で年3千〜1万3千円で借りることができる。

 同法人の川崎博行理事長(56)によると、市内と近郊に約110カ所、約3500区画があり、現在は85%が稼働している。利用者の大半は定年退職した高齢者だったが、今春は状況が一変し、若い世代が目立つようになった。コロナの感染者が増え始めた3月以降に申し込んだ約60組のうち、7割は30、40代だった。今も問い合わせが続いている。

 川崎さんは「市民菜園はベテランの高齢者もいて、多世代での交流も楽しめます」と話す。初心者の親子にノウハウを伝える、ほほ笑ましい光景も見かけるという。

 安佐北区の市農林水産振興センターも、管理している市内39カ所約2500区画に3月以降、子育て世代から新規の申し込みが相次いだ。呉市の市民農園でも、今春募った約10平方メートル95区画のほぼすべてが埋まった。

 岡山市の市民農園「牧山クラインガルテン」ではこの春、539区画の利用率が38%から42%にアップ。指定管理するNPO法人牧景(ぼっけー)園の秋山稔理事長(73)は「小さな頃からのびのびと農業に親しみ、食に関心を持つきっかけになればうれしい」と期待する。(桜井邦彦)

 ▽おいしい野菜は土から JA広島市・三谷さんに聞く

 どうすればおいしい野菜を育てられるのか。JA広島市(安佐南区)の指導員、三谷哲さん(39)に初心者向けのポイントを教わった。

 まず考えたいのは何を作るか。夏野菜、冬野菜と呼ばれるように農作物には旬があり、植え付けるタイミングが大切。野菜によって植える間隔も異なる。種や苗の説明書きに植え時や収穫期とともに説明してあるので参考にしたい。

 夏野菜のトマトやナスは植え付け時期をもう過ぎており、今からは秋のブロッコリーやキャベツ、ダイコンがお薦めだ。

 「農業で最も大切なのは土づくり。堆肥をしっかり入れましょう」。牛ふんや腐葉土、樹皮など十分に発酵したものを畑の土と混ぜ合わせる。プランターは土があまり多く入らないので、市販の堆肥入りの土で対応できる。

 日々の管理で覚えておきたいのは、水や肥料の与え方。「やみくもに多く与えればいいわけではありません」。株元から離れた土の中に手を突っ込み、乾いていたら水をまく。葉の色が薄くなってきたら肥料切れのサインだ。害虫は発見したら早めに駆除し、病気は必要に応じ薬で予防する。「子育ての感覚でよく観察し、愛情いっぱいに育ててください」と助言する。

この記事の写真

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

くらしの最新記事
一覧