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コロナ感染の端緒、いち早く通知 陽性者接触確認アプリ「ココア」

2020/7/14 19:25
接触確認アプリCOCOAの画面

接触確認アプリCOCOAの画面

 新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触の可能性がある場合に、スマートフォンに通知が届くアプリをご存じですか。代表的なのが政府が提供する接触確認アプリ「COCOA(ココア)」。感染の端緒を早く伝えて検査や体調観察につなげることで感染拡大を防ぐ。利用者の増加が効果を上げる鍵となるが、まだ少ないのが実情だ。

 ▽匿名性重視 プライバシー配慮

 ココアは6月19日から運用が始まった。アプリを入れたスマホ同士が1メートル以内に15分以上とどまったとき、「接触」したとして、相手の情報を暗号化し、それぞれのスマホに記録する。陽性と分かった利用者が保健所から発行された番号をアプリに登録すると、スマホの記録を基に、接触した相手のスマホに通知が届く。

 この通知で分かるのは、接触した陽性者の数と日付だけ。どこで誰と接触したかは分からない。さらにアプリから質問があり、息苦しさなどの症状があると回答すれば、帰国者・接触者外来などが案内され、早期検査につながる。

 プライバシーが漏れる心配はないのか。陽性者の隔離のため、個人を特定できるアプリを活用する国もあるが、ココアは匿名性を重視したという。

 接触の確認には近距離無線通信「ブルートゥース」を用いる。登録時に名前や電話番号などの入力はいらず、位置情報も集めない。接触の記録は2週間で消える。広島大情報メディア教育研究センターの相原玲二教授は「仕様書を見る限り、個人情報の漏れは心配しなくていい」と言う。

 アプリの効果を十分に発揮するために必要なのが、登録者数の増加だ。人口の60%がアプリを使えば、流行を抑えられるという英国の研究もある。しかし、ココアは今月8日時点で、全人口の5%程度の約610万件の利用にとどまり、陽性情報の登録は3人だった。相原教授は「人口の半数以上に普及させるのは相当ハードルが高い。だが、確率が低くても適切に通知されれば助かる人もいる」とみている。

 ココアの利用を促す動きも出てきた。広島市西区の商業施設「広島Tサイト」は26日の車好きの交流イベントで、手の消毒やマスク着用に加え、アプリ登録の協力も求める。担当者は「より安心して楽しんでもらうため」と話す。島根大は先月、学生や教職員にメールなどでアプリの利用を呼び掛けた。

 広島大大学院の田中純子教授(疫学・疾病制御学)は「通知がないからといって接触していないとは限らない。反対に通知が来ても互いがマスクを着けていれば感染のリスクは低い。利点と限界を知った上で使ってほしい」と話した。(衣川圭)

 ■QRコード型、全国で広がる 広島県も検討

 全国の自治体も感染者と接触した可能性を通知するシステムを相次いで導入している。飲食店やイベント会場に入る際にスマホなどでQRコードを読み取り、メールアドレスなどを登録してもらう。同じ空間から感染者が出た場合に、同日の来場者に通知する仕組みだ。広島県も検討している。

 大阪府の「大阪コロナ追跡システム」は約2万施設が利用し、延べ60万人以上がQRコードを読み取っている。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどの大規模施設にも掲示され、利用が広がってきた。イベントでも活用する。

 神奈川県は、通知に無料通信アプリ「LINE」のメッセージを活用する。QRコードを用いた通知システムは20を超す自治体が導入・検討している。広島県の担当者は「第2波に備え、感染が分かった際にいち早く情報を通知できる仕組みは重要になる」と話している。 

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