くらし

ポリフェノール、妊娠後期の取りすぎ注意 土谷総合病院の森田医師

2020/7/28
「ポリフェノールは取りすぎなければ大丈夫」と話す森田医師

「ポリフェノールは取りすぎなければ大丈夫」と話す森田医師

 ▽胎児に心不全の危険性

 抗酸化作用があり、健康や美容にいいとされるポリフェノール。ただ妊娠後期に大量に取り続けると、胎児の血管が狭まったり閉じたりする「胎児動脈管早期収縮」を引き起こしかねない。胎児が心不全になることもあるという。実際に過剰摂取の症例を扱ったのを機に、土谷総合病院(広島市中区)の森田理沙医師が注意を呼び掛けている。

 森田医師によると、同病院は昨夏、出産予定日を約2週間後に控えた妊婦のエコー検査を実施し、胎児の動脈管に早期収縮の兆候があると察知した。動脈管は胎児特有の血管の一部。通常は出生後にふさがるが、胎内で狭まり始めると、心不全に陥りかねない。出生後に呼吸不全が残ってしまう場合もあるという。

 今回は母親が「赤ちゃんの胎動が弱くなった」と訴え、早期発見につながった。重症化する前に帝王切開に踏み切り、事なきを得たという。この母親は、ポリフェノールを含むルイボス茶が「足のむくみ解消に効く」と聞き、妊娠36週から2週間は毎日、煮出して飲み続けていた。ルイボス茶はカフェインを含まないため、妊娠中でも安心していたようだ。

 ポリフェノールは植物が光合成をする時に作られる成分で、ブルーベリーなどが含むアントシアニン、緑茶のカテキンなどがある。ルイボス茶のほか、チョコレートや赤ワインなども含有量が多いとされる。

 ポリフェノールの大量摂取の影響が疑われる症例が国内外で相次ぎ報告されるようになったのは、5年ほど前から。複数の研究論文が発表されている。

 目立つのはルイボス茶や紅茶、プルーンを好んで飲食していた妊婦の例。ただどこから「過剰」と捉えるか、明確な基準はない。「毎日500〜千ミリグラムをとっていた症例が多い」と森田医師。千ミリグラムはルイボス茶1・5リットル▽ココア10杯▽高ポリフェノールチョコレート50グラム(板チョコ1枚)―などに相当するという。

 森田医師は「ポリフェノールが体にいいのは間違いない。ただ一気に取りやすい飲料などには注意してほしい。バランス良い食事が大切」と強調している。(田中美千子)

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