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【新型コロナ みんなで乗り切る】オンラインで心通う墓参り 業者に依頼、掃除も代行 中継で安心、家族一緒に

2020/8/7
飯田さんの父や先祖の墓前で、タブレットを前にオンライン墓参りの様子を再現する狩野社長(福山市)

飯田さんの父や先祖の墓前で、タブレットを前にオンライン墓参りの様子を再現する狩野社長(福山市)

 新型コロナウイルス感染の再拡大で、長距離の移動をためらう人が多い中、墓参りの様相が変わりそうだ。タブレット端末やスマートフォンを使ったオンラインでの墓参りで、距離は離れていながらも家族で一緒に供養したり、墓掃除の代行を利用して役割を果たしたりする動きが広がっている。

 「離れていてもリアルタイムで手を合わせ、亡き父への思いをはせることができた」。画面越しに福山市にある父の墓を見ながら「お参り」したのは、千葉県鎌ケ谷市の公務員飯田絵里子さん(34)。6月下旬の父の命日に、千葉で暮らす母と一緒に父をしのんだ。

 利用したのは、福山市の石材会社「かの石材」のオンライン墓参り。墓前にタブレットを設置し、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使って、飯田さんに接続。同社の狩野寛和社長(53)が飯田さんらの代わりに、墓に花やろうそくを供える様子を中継した。「お墓、そして父を身近に感じられた」と飯田さん。母も喜んでいたという。

 同社がオンライン墓参りのサービスを始めたのは今夏。新型コロナの影響で遠方の親族が来られない、との理由で墓を訪れる人が減っているのを受け、墓参りを代行し、インターネットで中継する事業を思い付いた。「ズームなら全国各地に散らばる家族が同時に集って『墓参り』できる」と狩野社長は話す。交通費などを節約できるメリットもある。

 家族同士でスマートフォンのテレビ電話機能を使った「リモート墓参り」を試みようとする人もいる。広島市佐伯区の自営業男性(55)は、尾道市に住む母が墓参りする際にテレビ電話でつながり、一緒にお参りする案を検討している。「僕らも知らないうちに新型コロナに感染しているかもしれない。万が一でも母に感染させたくない」と男性。祖父の命日を8月、父の三回忌を9月に控え「せめて母と一緒に手を合わせたい」。

 墓掃除を業者に頼む人も増えそうだ。広島県府中町の女性(88)は「新型コロナで外出しにくいし、転んでけがをする心配もある」と、タクシーの乗務員による墓掃除に今夏から乗り出したつばめ交通(広島市東区)に頼むことにした。

 同社は、墓参りの代行に加え、自宅から墓までタクシーで送迎し、供花の購入なども含めて随行するサービスも引き受ける。新型コロナの感染が心配な人などに一定の需要がある、と見込んで始めた。営業部の佐々木義則部長(55)は「新型コロナで帰省をちゅうちょしている人たちの役にも立ちたい」と力を込める。

 こうした墓参りや掃除の代行は、先祖や故人に対して、失礼には当たらないのだろうか―。新型コロナの感染拡大を機に、法事のオンライン参列を始めた浄土宗妙慶院(中区)の加用雅信住職(48)は「面倒だから、と依頼するのであればお粗末だが、自分が行けないから、ということであれば、ちゃんと丁寧にやっているということ。草が伸び放題で墓が荒れてしまうのに比べるとありがたいこと」と話している。(二井理江)

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  • 広島県府中町の女性からの依頼を受け、墓掃除するつばめ交通の乗務員

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