くらし

エコでおしゃれ テークアウト用の紙・木製容器

2020/9/23
店頭に並ぶ弁当の容器は木や紙でできている(広島市西区のこめのはな)

店頭に並ぶ弁当の容器は木や紙でできている(広島市西区のこめのはな)

 ▽高単価でも環境に配慮

 飲食店のテークアウトで、紙や木の素材の容器が注目を集めている。これまではプラスチック製がほとんどだったが、レジ袋有料化などプラごみ削減の機運が高まり、取り入れる店が増加。おしゃれなデザインも受けているようだ。

 「この容器すごい」。東広島市の広島大4年の貴船桃佳さん(23)は、市内のレストランでテークアウトしたパスタの容器を見て驚いた。カップ状だった紙の容器が、花が開くように皿状に。「エコだし、おしゃれでうれしくなった」。平らになるため、食べた後は洗って折りたたみ、可燃ごみとして捨てられるのも気に入った。

 この容器は、新型コロナウイルスの影響でテークアウトが広がったのを機に、インスタグラムやツイッターで話題になった。そのまま温められる上、華やかなデザインが人気を集める。

 新型コロナによる外出自粛期間中、ほぼ毎週末テークアウトを利用した広島市南区のパート溝上麻樹さん(55)も、紙の容器がお気に入りだった。「ベージュの柔らかい色合いでほっとする。適度に湿気を吸うし、料理も温かみが感じられておいしそう」。ハンバーガーやオードブル、揚げ物などを容器ごとフェイスブックなどにアップして楽しんだ。

 紙だけでなく木の素材もある。木製容器に入った弁当をテークアウトした同市西区の会社員鬼丸ひろみさん(33)は「捨てるのがもったいないくらい。テークアウト生活で、プラごみが増えて気になっていたのでよかった」。同区の介護職竹田佳奈さん(25)は「環境に配慮しているという店の姿勢が分かる」と話す。

 とはいえ、店側にとっては、紙や木はプラスチックより価格が高いのがハードルとなる。

 イタリア料理店カルマ(中区)の橋本康彦店長(41)は「プラスチック容器は1個100円足らずなのに、紙は100〜200円。配達は手数料もかかり、正直、利益が出ない」と明かす。それでも紙容器を選ぶのは、皿で雰囲気を出せる店内での料理提供に近づけるため。「いつか店に食べに行きたいと思ってもらえたら」と願う。

 木製の弁当容器を使う「こめのはな」(西区)の新井有希オーナー(39)も「木製はプラスチック製より3〜4倍高い。ただ、体に優しいメニューという店のコンセプトに合わせて、容器も環境に優しくしたい」と話す。

 食品容器の地場大手商社のシンギ(中区)では、徐々に紙容器の利用が増え、現在、プラスチックに並ぶ販売額になっている。今後、環境への意識が高まり、さらに紙製の需要が増えれば単価も下がっていきそうだ。

 年間約800万トンが海に流出しているとされるプラスチック。劣化や破砕によって細かい「マイクロプラスチック」になる。有害物質が含まれていることもあり、魚などが食べ、食物連鎖によって人を含む生物への影響が懸念されている。

 広島大環境安全センター長の西嶋渉教授(環境学)は「使ったプラスチック容器の一部は必ず海に流出するため、使用総量を減らす必要がある。再生可能資源である紙容器の普及は望ましい。消費者は、中が見えないなど多少の不便さへのこだわりをなくしてほしい」と呼び掛ける。(二井理江) 

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  • 持って帰るときはコンパクト(奥)で、食べるときは広げられる容器
  • 注目されている紙や木の容器。さとうきびを搾った残りや竹の繊維を使った品もある

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