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コロナの冬、上手に換気 窓あり、対角線上2カ所開放/窓なし、換気扇・給気口で代用

2020/12/8 20:54
グラフィック・大友勇人

グラフィック・大友勇人

 新型コロナウイルスの流行が始まってから、感染予防のために換気をするよう呼び掛けが強まっている。特に多くの人が集まるオフィスや学校、飲食店は十分に空気を入れ替えたい。ただ、冬は寒くて、窓や扉を長時間大きく開け放っておくのは難しい。効率的な換気はどうしたらできるだろう。

 換気が重要なのは、空気中に漂う新型コロナウイルスを含む微粒子(エーロゾル)から感染するリスクがあるからだ。日本医師会は「換気のできない部屋では、3時間以上も空中を浮遊して感染の原因になる」としている。

 そのために「それぞれの空間に合う換気を」と求めるのが、広島大(東広島市)建築学プログラムの西名大作教授(59)と金田一清香准教授(43)。2人は「よく使う部屋でも、空気がどこから入ってどこへ出ていくのか気に留めたことのない人は多い」と指摘する。

 換気には2種類ある。まず、教室やオフィス、飲食店に窓が複数あるなら、開けて空気を入れ替える「自然換気」が取り組みやすい。空気が部屋全体を通り抜けられるように、対角線上にある2カ所を開けるといい。西名教授は「外気の通り道に暖房装置を置くと空気が暖められるので室温が下がりにくいですよ」とアドバイスする。

 「機械換気」に頼りたいのは、窓を活用できない部屋にいるときなどだ。例えば、地下にあって窓がない飲食店や窓があっても開けられないオフィス。窓がある教室でも、雨や寒さで開けるのがあまりにもつらいときなどだ。建築基準法では住宅や学校、オフィスなどすべての建築物に機械換気設備の設置が義務づけられているので、あらためて設備を確かめてみたい。

 一般的な換気扇が壁や天井に付いている場合は回してみよう。ただ換気扇には室内の空気を外に出す働きしかない。室内には必ず新鮮な外気を吸い込む役割の給気口があり、その二つがセットで機能しているかどうかを確認する必要がある。

 西名教授は「隙間風が寒いといって給気口をふさいでいたり、部屋のレイアウト上の都合で前に物を置いている場合がある」と指摘。金田一准教授も「フィルターが目詰まりしていたら機能しません」と話す。物をよけたり、掃除したりしよう。

 より機能の高い「全熱交換型換気扇」という種類の換気扇が天井に設置されている場合もある。排気だけでなく外気を取り込むこともできる。さらに外気を取り込む際に室内の空気の熱を使って温めてくれる機能があり、室温が下がりにくいのがメリットという。

 西名教授によると、エアコンなどに比べて換気扇の存在は注目されにくく、スイッチを入れていないケースも少なくないという。既存の設備をフル活用できているのかチェックすることが、まずは大切なようだ。(治徳貴子)

 ▽市販のCO2センサー活用も

 その空間がきちんと換気できているかどうか、客観的に確かめる方法もある。金田一准教授が勧めるのは、室内の二酸化炭素の濃度を測定する「CO2センサー」の活用だ。

 二酸化炭素は人の呼気に含まれる。濃度が高ければ、室内に呼気がたまっていて屋外の新鮮な空気と十分に入れ替わっていないことを意味する。つまり、換気が不十分ということ。建築物衛生法では、オフィスや店では濃度を千ppm以下に保つことが求められている。

 センサーは室内でも、窓際ではなく机の近くなど、人が多い場所に置く。濃度はすぐ表示される。例えば、オフィスで千ppmを超えていた場合、開ける窓の組み合わせを変えるなどして基準値内に収まるように調整するといい。センサーは5千円程度から市販されている。

 金田一准教授は「換気できているかどうかは体感では分かりづらい。センサーの数値を見て客観的に換気のこつをつかんでほしい」と利用を促す。 

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  • 「二酸化炭素の濃度を測れば、換気の効果を目で確かめられる」とCO2センサーを手に話す金田一准教授(左)と西名教授

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