くらし
触れない安心 コロナ禍の日常に「非接触グッズ」 リスク減、手洗いと併用を
新型コロナウイルスの感染が広がる中、手がドアノブやタッチパネルなどに直接触れないようにする「非接触グッズ」が、次々と登場している。引っ掛けて使ったり、手のひらをカバーしたりとさまざまなタイプがある。物に付いたウイルスはしばらく生存するとされており、手洗いと併用して感染を防ぐ一策になりそうだ。
広島市を中心に介護事業に取り組む会社社長新井恵(けい)さん(47)は、真ちゅう製のドアオープナーをキーホルダーに付けて持ち歩く。引っ掛ける形状で、長さ10センチほど。飲食店のドアを開けたりエレベーターのボタンを押したり。「気にするときりがないが、感染防止のためにできることはやりたい」。介護事業所のスタッフにも配り、訪問先や施設内で活用している。
開発、販売するのは尾道市向島町で船舶関連品を製造する京泉工業。6月下旬の発売時に200個用意したが2カ月ほどで完売し、追加製造した。
素手の代わりに、軟らかいプラスチック樹脂でつり革や棒を握るタイプもある。開発したリョウケ(埼玉県川口市)によると、東京や大阪など電車やバスで通勤、通学する人が多い地域で人気という。
病院や介護施設、大学などでのニーズがあるのは、ドアのレバーやトイレのスライド鍵に取り付けて腕や肘で開閉する機器だ。開発した甲子化学工業(大阪)の担当者は「腕や肘にウイルスが付いても、手に付かないようにするのが大切。手で口や鼻、目を触って感染するリスクを減らせる」と説明する。
おしゃれに感染防止に取り組もうという提案もある。広島市安芸区のインパルスレザーワークスは、鍵状のドアオープナーが付いた革のキーホルダーを販売している。色も赤や青や緑など9種類ある。鶴田修代表(43)は「気持ちが沈みがちな時だけに、ファッションの一部として楽しんで」と話す。
いずれの製品もインターネットでの販売が中心というが、街中の店頭にも並ぶ。広島ロフト(中区)ではドアオープナーなど4種類の非接触グッズを販売。タッチパネルにも使える金属製が売れているという。
デジタル写真加工のアスカネット(安佐南区)が5月に全国の1204人にしたアンケートでは、8割が「接触が気になるようになった」と回答。ドアノブやつり革、エスカレーターの手すりなどを気にする人が多かった。接触を避けるために「ボタンを押すときに袖で手(指)を覆う」と答えた人も3割いた。
世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスがプラスチックの表面では最大72時間生存するとしている。接触による感染の予防として、厚生労働省はこまめな手洗いを呼び掛けている。
安田女子大(安佐南区)の吉田いつこ准教授(保健学)は「人は無意識に口や目を触るため、手に付いたウイルスが体に入る可能性はある」と注意を促す。「非接触グッズの利用はある程度効果はあるだろうがそれだけでは不十分。手洗いをしたり、消毒をするという基本技を徹底してほしい」と呼び掛ける。(二井理江)
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