くらし
新年への思いを新聞紙の筆で 広島の前衛書道家、藤村さん考案【動画】
なんと、新聞紙が書道の筆になる。小さく折りたたんで、はけのように墨書する「ニュースペーパー・カリグラフィー」。広島市南区の前衛書道家、藤村満恵さん(67)が考案し、かすれなどの趣ある筆致がユニークな書のスタイルだ。あす、年が明ける。新型コロナウイルス禍にめげず、夢や希望を書き初めに託してみては―。
▽趣ある筆致 自由に表現
新聞1ページ分を使う。筆先に活用するのは、新聞の上端と下端にある裁断面のぎざぎざした溝だ。この溝が1辺にそろうように折りたたんでいくと、手のひらくらいの四角い「筆」が出来上がる。
毛筆ほど墨はたっぷり要らない。すずりも紙製の皿などで代用できる。墨が飛び散りにくく、子どもたちも思い切り書ける。ポイントは、紙に対して「筆」を直角に立てること。文字を書く方向に引くのではなく、押すように書く。紙は画用紙でもいい。半紙を選ぶと、ざらざらした裏面の方が墨のかすれが際立つ。
藤村さんが新年のえとをテーマにお手本を示してくれた。「牛」「うし」。とりわけ「丑」の字は丸っこい。今月初め、探査機「はやぶさ2」が小惑星の砂などを持ち帰った快挙をイメージしたという。「コロナ禍のさなか、うれしいニュース。この喜びやわくわく感を新年につなげたい。書の表現は自由です」
ニュースペーパー・カリグラフィーの誕生は2010年。独創的な書を模索していた時だった。いつもの毛筆ではなく、くしゃくしゃにした新聞で試すと面白い墨跡に出合えた。新聞は世界中にある。「国境を越えて、みんなに楽しんでもらいたい」と、カリグラフィー(文字を美しく書く技法)の言葉を盛り込んで命名した。
広島市内の保育園や高齢者施設に出向き、この技法を伝えてきた。力の入れ具合で字の太さなどに個性が表れ、笑顔もあふれる。広島を訪れた東日本大震災の被災地の高校生たちや、フランスの俳優がチャレンジしてくれたこともある。
藤村さんは6歳で書の道に入った。三次市出身の前衛書道家、故竹澤丹一さんに師事。ビニールにペンキで斬新に書き上げた大作などを発表し、ニュースペーパー・カリグラフィーの個展も開いてきた。
「新たな年へ、新聞の筆に願いを乗せて、自分らしさを表してほしい」と呼び掛けている。(林淳一郎)
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