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【コロナ禍と介護 水明園からのメッセージ】読者の反響

2021/1/7 19:42
感染の収束後、サービス提供を再開した三次市のデイサービスセンター水明園。人気のリハビリ室は少人数の交代制で使っている(撮影・高橋洋史)

感染の収束後、サービス提供を再開した三次市のデイサービスセンター水明園。人気のリハビリ室は少人数の交代制で使っている(撮影・高橋洋史)

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した三次市の介護現場の体験を振り返った連載「水明園からのメッセージ 高齢者ケアを守るために」に、メールや無料通信アプリLINE(ライン)で多くの反響が寄せられた。ケアワーカーや親を介護する家族からの共感の声が目立った。

 ▽現場の善意と誠意に共感

 連載では、三次市のデイサービスセンター水明園でクラスターと闘った職員の声を届けた。今なお、再発予防に神経をすり減らす姿も描いた。そんな職員に心を寄せたのは、昨年末に広島市内の通所介護事業所を辞めたばかりの女性(52)。「万が一、利用者さんに感染させてしまったら命に関わる。私にも、そんな不安が常にありました」とつづった。

 女性の勤め先は認知症の利用者が多かったという。検温を嫌がる。マスクはすぐに外してしまう。仕切りを設けても、利用者同士でくっついて座ろうとする…。「手厚いケアが必要な人ばかりなのに、職員の配置は最低限だった。自分の手をこまめにしっかり洗う時間さえ取るのが難しく、怖かった」と振り返る。

 それでも、慣れ親しんだ利用者を思うと辞める前は心が揺れた。「介護に疲れたご家族の手を離すのも苦しかった」。一方、自らの家族に行動の自粛を強いるのも苦痛だったという。「今の願いはただ一つ。介護や医療は現場の善意と誠意でもっている。その事実を広く知ってほしいです」

 昨年4月に三次市の複数の施設でクラスターが発生した時に、唯一、名前を公表した水明園に謝意を示した人も多かった。三次市の匿名の投稿者は「勇気ある行動で、感染者を最小限に抑えた。誹謗(ひぼう)中傷の中でも利用者に寄り添ってくれた」とねぎらった。

 ▽人一人に危機感が必要

 県内の高齢者施設に勤める広島市西区のパート女性(61)も「クラスターはどの施設でも起こりうる。何に困り、どう切り抜けたか。記事を通じて発信してもらい、大いに学ばせてもらった」と感謝する。さらに「大事なのは教訓を今後に生かすこと。私たち一人一人が危機感を持ち、感染対策を徹底しなければ陽性者は増えるばかりだ」と指摘した。

 鳥取県の女性(62)は、サービス利用者の家族の立場から声を寄せた。昨秋、近所の病院に入院していた夫の母をみとったばかり。「コロナで面会もままならなず心が折れそうな中、介護スタッフの皆さんの誠実な対応に救われた」という。

 今は広島市に住む自身の両親の介護を続けている。女性は「介護は誰もが通る道。ある日突然、自分が介護される側になることもあり得る」と強調。「介護者の日常を想像することから始めたい。現場に苦労を掛けないよう、誰もが感染防止に気を付けないといけない」と呼び掛けた。(田中美千子)

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  • 体操の時間。「密」を避け、利用者の間隔をしっかり空けている
  • 飛沫(ひまつ)防止の仕切りが置かれた室内。職員が手指の消毒を手伝う

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