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性差別を生む、女性への無意識の偏見 LINEで聞いた読者の体験

2021/3/6 19:31
グラフィック・末永朋子

グラフィック・末永朋子

 3月8日は国連が定めた「国際女性デー」。性の平等や多様性の推進を目指しているが、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長のような女性蔑視発言は絶えない。差別の温床となるのは、無意識の思い込みや偏見「アンコンシャス・バイアス」だ。職場や学校、家庭で感じたバイアスを無料通信アプリLINE(ライン)で読者に聞いた。

 ■女性は細身で/化粧は必須/結婚=幸せ

 テレビで女性の社長が紹介されたときに、「女?」と反応する父親に「もやもやする」と寄せたのは広島県安芸太田町の高校生女子(18)。「女性も性的少数者も社長になっていい。今の10代は性についてフラットに見ている人が多いけど、親世代の意識がまだ追い付いていない」と残念がる。女性活躍が注目されること自体、「日本では活躍する人が少ないことの裏返しじゃないですか」と問い掛けた。

 広島市安佐北区のアルバイト女性(53)は、職場で女性の制服が導入されたときに「サイズは7号。そうじゃないと見た目が悪いから」と発言した上司にあぜんとした。「女性は細身であるべきだ」という決め付けに憤る。

 福山市の女子学生(21)は、女性の見た目について、「社会人になったら化粧が必須」「毛深いのは恥ずかしいので脱毛するべきだ」など、誰が決めたか分からないマナーが多く存在することが「息苦しい」という。

 学校でのバイアスを懸念する声も多かった。東区の元教員女性(54)は、全国的には男女混合の名簿が主流になっているのに県内は今でも男女別名簿の地域が残っていると指摘する。呼ばれるのも男子→女子の順。「常に男子は優先されるべき存在」という意識を植え付けてしまわないか、と憂う。

 東区の別の女性(51)も「学校は昭和を引きずるバイアスの巣窟」という。娘が通う学校では、女子の制服はスカート1択。夏服と冬服の着用は体感で選ぶのではなく「この日から」と一方的に決められている。寒くてもタイツもコートも禁止。「子どもには多少の我慢や厳しい指導が必要、という思い込みが根底にある」と感じている。

 一方で、「今は過渡期。若い世代の感覚は変化している」と寄せたのは、安佐南区の会社員女性(53)。ある高校の体育祭を訪れた際、女子が応援団長で、男子が脇で旗を持っていたのが印象に残っているという。

 家族の在り方に関するバイアスに反発する声も多かった。安芸区の派遣職員女性(38)は「結婚=幸せ」「家族は多い方が楽しい」という価値観を押し付けてくる女友達にうんざりしている。事あるごとに「親が亡くなったら独身はさみしいよ。高齢出産はリスクだし、自分を責めることになる」と結婚相談所への登録を勧められる。「幸せの物差しは人それぞれ。個人の選択を尊重する社会になってほしい」と望んでいる。

 広島市の主婦(39)は長女を産んだとき、親戚の男性から「次は男の子じゃね」と言われた。「男の子が欲しいと思っているわけじゃないのに。いつの感覚?」と引っかかった。妻と子どもがいない人生を選んだ岡山市の男性(40)は、周りから身体的な事情と勘ぐられたり、「社会への責任を果たしていない」という目で見られたりすることに傷つく。

 尾道市で子育てをしているシングルファーザーの会社員男性(53)は、子どもが叱られるようなことをすると「母親がいないから」、逆に勉強やクラブで活躍すると「母親がいないのに偉いね」と言われてきたことに納得がいかないという。評価の主軸が子ども本人ではなく、母親の存在になっているからだ。「子育ては母親がするもの、という偏見があるからだろう。根拠のない『常識』を捨ててもらいたい」と訴えた。(ラン暁雨)

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