くらし

<お題>男女の「らしさ」押し付けないために

2021/3/15 19:04

 森喜朗元首相が女性蔑視発言で、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を退きましたが、性差別や性別役割分担の意識をなくすには教育も大切といわれます。男は男らしく、女は女らしく振る舞うことを社会から押し付けられて悩む人もいます。皆さんが子育てをする中で、「女の子らしさ」や「男の子らしさ」を自分の子どもに押し付けないように気を付けていることはありますか。おもちゃや服、習い事の選び方や、子どもへの声の掛け方などを教えてください。

 ▽読者から

 ■粘り強く伝えて

 6歳の長男は幼い頃からピンクの服になじんでいました。でも幼稚園で友達に何か言われたのか「ピンクは女子の色だから着ない」と言い始めました。私が「女の子だけの色じゃない」と何度も言い、再び着るようになりました。外で子どもが狭い価値観を押し付けられたとき、家庭で「そうではない」と粘り強く伝えることが大切です。(廿日市市・主婦・47歳)

 ■抵抗なく家事を

 息子2人には掃除や洗濯物たたみなど家事を満遍なく教えてきました。私の得意な裁縫は特に力を入れた結果、成人した今はアイロン掛けやズボンの裾上げも自らしています。どんな家事でも男性が抵抗感を持たずに自力でできるようになれば、苦手な内容を「女の仕事」と決め付けることが減るのではないでしょうか。(廿日市市・主婦・53歳)

 ■料理に参加促す

 私は、盆や正月に女性だけが料理や後片付けに奮闘し、男性は食べるだけであることに疑問を感じてきました。小学1年の息子には自然に食事の準備や後片付けがこなせる人になってほしいので、5歳から料理に参加するよう促してきました。キャベツの乱切りや卵割り、家族全員の食器洗いができるようになっています。(福山市・パート女性・38歳)

 ■親の姿がお手本

 乳児から小学5年生の男女4人の父親です。私と妻は「男らしさ」「女らしさ」にこだわらず家事や育児をする姿を、子どもに見せるようにしています。時間がある人が得意なことをするのが基本です。私は裁縫ができるので、家族の服のボタン付けを担当。性別による役割ではなく「自分は今、何ができるか」を基準に行動する大切さを学んでほしい。(福山市・会社員男性・39歳)

 ■本人の意思尊重

 息子に「男の子らしさ」を押し付けず、本人の意思を尊重するように育ててきました。小学1年の長男は、女の子しかいない体操教室でエアロビクスを習っています。3歳の次男はままごとセットで遊ぶのが好きです。さまざまな人間関係や物と自由に出合い、広い心の持ち主になってくれたらうれしい。(呉市・主婦・36歳)

 ■高齢世代も説得

 2歳の息子に多様な価値観を受け入れられる大人になってもらえるよう、親が「男の子らしさ」の枠にはめないようにしています。日常では赤い服を着せているだけで、祖父母世代の人から「女の子みたい」と決め付けられることがあります。私は「色に男女は関係ないですよ」と伝えます。後で息子にも「赤もいいよね」と声掛けします。(呉市・会社員女性・35歳)

 ▽専門家から

 ■子どもの決定、受け止めて 微妙みみょう福祉会 保育・研修担当 原沢子さん(広島市南区)

 男女の機会均等や多様性を重視する社会の流れを受けて、保育現場では今、男女の「らしさ」を子どもに求めません。保育士の研修でも、性別にとらわれずに「自分らしさ」を出せるよう工夫をしてほしいと伝えます。

 子どもは0歳から自分の思いを持っています。小さなことでも「あなたはどうしたいの」と尋ねて、子ども自身に決めてもらいましょう。自分で決めることを重ねることで「自分らしさ」が生まれ、人生を主体的に生きていく力が備わるはずです。

 家庭ではぜひ、子どもをゆったり見守り、一つ一つの決定を受け止めてあげてほしい。息子がピンクの服を選んだら「その色がいいのね。きれいな色ね」と声を掛けてあげましょう。娘が「女の子らしくなりたい」と願ってかわいいスカートを選ぶなら、それもいい。「自分の決定が受け入れられた」と感じたとき、子どもは安心して自分の人生を堂々と生きていけます。

 社会には多様な価値観があるので、子どもが男女の「らしさ」を押し付けられて戸惑うこともあるでしょう。そんなときは家庭で「あなたはあなたらしくていいよ」と言ってあげてください。

 ▽担当記者から

 読者の投稿には「スカート嫌いで全くはかない娘に対し、何も言わないようにしている」「幼い息子がアクセサリーを着けていても放っておいた」などがありました。家庭ごとに子どもの好みや興味を大切にする姿勢が伝わりました。(治徳貴子)

 ▽次回のお題は 担任が苦手、どう支える

 4月は学校や幼稚園、保育園などで、子どもが新しい担任の先生と出会う季節です。苦手な先生になったときは、親子でがっかりする場合もあるようです。子どもと相性が合わない▽コミュニケーションが取りにくい▽わが子の良さを分かってもらえず?ってばかりに感じられる▽厳し過ぎる―など悩みはさまざま。そんな先生が担任になった場合、家庭では子どもをどう支えたらいいでしょう。先生との付き合い方のこつも教えてください。

この記事の写真

  • 原沢子さん
  • コロコロが大好き=瑛太(えいた)ちゃん、呉市

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