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コロナ、長引く後遺症 半数が発症から60日後、4人に1人は120日後にも 症状は息苦しさや嗅覚障害、思考力低下も

2021/4/27 20:33

 新型コロナウイルス感染症の特徴の一つは、長引く後遺症だ。中国地方でも岡山大病院(岡山市北区)に後遺症の専門外来が登場するなど、感染後のつらい症状が着目され始めた。開業医で後遺症を診る準備を進める広島市医師会の三上裕一郎常任理事は「インフルエンザとの大きな違いは後遺症。重症化しない若い人も『コロナはただの風邪』と侮らないで」と訴える。

 国立国際医療研究センター(東京)は、昨年2〜6月に退院した感染者への電話調査を実施し、63人が回答。発症から2週間を超えてせきやだるさなど、何らかの後遺症があった割合は76%を占めた。20代で75%、30代で83%と、若い年代でも後遺症の割合は高かった。

 コロナ後遺症は、症状が長く続くことから「ロングCOVID」とも呼ばれる。電話調査では、発症から60日後でも半数程度が症状を訴え、120日たっても4人に1人に後遺症がみられた。60日の時点では、息苦しさ▽嗅覚障害▽だるさ―の順に多かった。120日までの調査期間中に抜け毛は24%に見られ、平均で76日続いた。

 感染感者を多く診ている県立広島病院(広島市南区)の石川暢久医師が気にかけるのは、感染で肺が硬くなる「線維化」だ。息苦しくて、酸素吸入が当面、手放せない。「1割の患者は、うちの病院から転院して入院を続ける。呼吸困難が長引く印象がある」と話す。県内の別の病院では、退院後に肺血栓ができた人もいた。入院治療による体重減少や筋力低下、精神的なストレスが尾を引くケースもある。

 ツイッター上にも「咳止まらず」「少し歩くだけですごい疲労感」「ニオイがしない」などと感染者の投稿が相次ぐ。症状は幅広く、集中力や思考力が落ちる「ブレーンフォグ(脳の霧)」と呼ばれる状態も起きるとされる。米国からは、陽性確認から90日以内に、不安障害や不眠症、認知症などの精神疾患と診断された人は18%に上ったという報告がある。

 後遺症が目立つ状況を受け、開業医たちも、後遺症患者を診る準備を進めている。広島市医師会は「アフターコロナチーム」を発足。診療に必要な情報を会員に発信し始めた。

 入院患者を診る病院には負担がかかることから、三上常任理事は「後遺症はかかりつけ医で診るという役割分担を進め、患者さんが安心して受診できるようにしたい」という。また、広島県内にも「第4波」が押し寄せる中、こう呼び掛ける。「後遺症がどれだけつらいかは案外、知られていないのではないか。働けなくなることもある。日頃からの感染予防に努めてほしい」(衣川圭)

 ▽「精神面もフォロー必要」 岡山大病院・専門外来の大塚副病院長

 岡山大病院は2月、後遺症患者専門の「コロナ・アフターケア外来」を総合内科・総合診療科に開設した。担当する大塚文男副病院長は「感染したことが心身の重荷になり、不眠になったという人もいます」と話し、心理面・精神面のフォローの重要性も強調する。

 外来は予約制で、主に月曜と火曜午後に開き、週に4、5人を診察している。一番多いのは「疲れやすい」などだるさの訴えという。微熱が続いたり、頭痛や動悸(どうき)がしたりするほか、抜け毛、味覚や嗅覚の異常も目立つ。体調の変化に加えて、感染が心の重荷になり、仕事を続けられなかったり、不眠になったりするケースもある。

 1時間ほどの問診では、症状に加え、どういう経緯で感染したか、どこでどんな治療を受けたのかも聞く。症状が感染によるものなのか、治療によるものか、心理的なストレスによるものかを判断することが重要だからだ。

 血液検査などでだるさなどの原因を調べるが、明らかに「これが異常」と分からないことも多い。こうした場合は漢方薬の処方も一つの方法という。

 大塚副病院長は「感染時の症状の重さにかかわらず、後遺症に悩んでいる人は多く、フォローアップしていく必要がある。患者と向き合って話を聞くことそのものも大切なんです」と話している。

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  • 「症状を医師に話すことで、精神的に楽になる人もいる」と話す大塚副病院長(岡山市北区)

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