くらし

<お題>「産後クライシス」の経験ある?

2021/6/14 18:59

 出産をきっかけに、それまで良好だった夫婦仲が急に冷え込む「産後クライシス」を経験したことはありますか。赤ちゃんをあやすことなく趣味に没頭する夫を見て、疲れ切った妻がいら立ちを募らせたり、妻が赤ちゃんばかりに注目することを夫が不満に思ったり。産後うつや、妻が子どもの世話のほとんどを担う「ワンオペ育児」も背景にあるようです。経験談をお寄せください。夫婦仲を修復するための工夫や当時欲しかったサポートなども教えてください。

 ▽読者から

 ■夫に体調伝える

 初めての子を出産してから、気が利かない夫にいら立ち、敵視するまでになりました。言い争うことも。「これではいけない」と感じ、夫に「私は妊娠出産でホルモンバランスが崩れているのかも。いちいち腹が立ってしまう」と体調をありのままに伝えました。夫は「仕方がないね」と理解してくれました。夫が分かってくれていると思うと、いらいらは減りました。(広島市中区・主婦・32歳)

 ■1人の時間必要

 出産後、身も心も子どもにかかりっきりでした。夫に関心を向ける余裕が消え、夫は悲しかったようで夫婦関係が冷めました。私が1人の時間を持てるような何らかのサポートがあればよかったです。ゆっくりご飯を食べたり、お風呂にのんびり入ったり。それだけでゆとりが生まれ、仲良しでいられたと思います。(広島市佐伯区・パート女性・41歳)

 ■夫を頼ってみる

 夫とは和やかに暮らしていましたが、産後に意地悪を言われるようになり離婚を考えることもありました。あるとき、夫ととことん話す中で、夫が家庭で疎外感を感じてきたことが分かりました。原因は、私が子守や子連れで外出する際の付き添いを自分の両親にばかり頼んでいたことでした。実家と程よい距離を置き、夫を頼りにすると信頼が強まりました。(広島市安佐南区・看護師女性・43歳)

 ■共感の声掛けを

 妊娠前は仲の良い夫婦でした。ただ、夫は子どもや育児に関心が薄いことが妊娠・出産を機に分かりました。産前に不正出血があって入院した際は「自分で乗り越えて」と言われてショックでした。産後うつになったときも思いやりのある言葉はなし。私は「大丈夫か。しんどいね」と共感してほしかっただけです。結局、離婚しました。(廿日市市・公務員女性・52歳)

 ■互いに思いやる

 私は産後に体調不良が続きましたが、夫は仕事で忙しいため、1人で育児をせざるを得ませんでした。何もかもが嫌になり、夫とけんかばかりの時期がありました。振り返ると、夫は早朝から深夜まで続く仕事をこなすのに必死だったのでしょう。夫にねぎらいの言葉を少し掛けていれば、夫からも優しい言葉が返ってきたかもしれません。互いの思いやりが大切です。(広島市西区・アルバイト女性・50歳)

 ■定時帰宅促して

 私が年子を出産するまでは夫婦仲は悪くありませんでした。ただ、妊娠出産の時期から今に至るまで、夫は早朝に出勤して深夜に帰宅する激務で週末は疲れて寝る生活。私が1人で子育てする状況が数年続いています。夫とは会話もなく、関係が冷え切っています。男性が育児のために週に数日は定時で帰宅できる社会になってほしいです。(福山市・主婦・42歳)

 ▽専門家から

 ■家事・育児の分担決めよう 県立広島大(三原市) 日高陵好(りょうこ)教授(性と生殖の健康)

 産後クライシスにはさまざまな原因がありますが、妻が夫に不満を募らせて起きることが多いです。産後の女性はホルモンバランスが崩れて、精神的に不安定になりがちです。そんなときに妻に家事や育児の負担が集中すると、不公平感に耐えられなくなります。

 クライシスを避けるには、妊娠中に夫婦で、家事と育児の分担について決めておくのが効果的です。「夜中にミルクをあげるのは夫」など「具体的に」がポイントです。また例えば、夫の側が仕事が忙しくなる時期があるなら、あらかじめ妻に伝えましょう。互いの負担を理解し合うことが大切なのです。

 産後の家庭がどれだけ大変なのか想像ができないなら、子どもがいる知り合いから情報収集することを勧めます。

 それでもクライシスに陥ってしまったら早めに、夫婦が心をさらけ出して話し合いましょう。2人だけの時間をゆっくり過ごすと、関係修復につながりやすいです。保育園の一時保育などを利用しましょう。また、1人になる時間を持つと、パートナーを許すゆとりが生まれるかもしれません。

 家庭の外の子育て支援を遠慮なく使って、産後を乗り切ってほしいです。

 ▽担当記者から

 産後クライシスの原因の一つは、母親に育児が集中することだといわれます。読者からは「夫に赤ちゃんのケアを産院スタッフから学んでもらった」「夫の休日には必ず1時間、子どもと2人だけで遊んでもらった」など工夫が寄せられました。(治徳貴子)

▽次回のお題は 性被害防ぐため 家庭でどう教育

 子どもが性被害に遭わないために、さまざまな法整備が今、進んでいます。皆さんの家庭でも、子どもが性被害に遭って心が傷ついたことがあるかもしれません。もう少しで被害を受けそうになって、動揺したケースもあるでしょう。性被害を防ぐための家庭での性教育、何かしていますか。「公衆トイレには1人で行かない」「水着で隠れる部分は他人に見せない」など、日頃から子どもに伝えていることがあれば、具体的に教えてください。

この記事の写真

  • 県立広島大(三原市)日高陵好(りょうこ)教授(性と生殖の健康)
  • 眠気には勝てません(珠希(たまき)ちゃん、呉市)

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