くらし

<お題>重い病気、子どもにどう伝える

2021/10/11 21:04

 日本では、2人に1人が一生のうちにがんと診断されると言われています。子育て中の皆さんは、自分やパートナー、親が、がんやそのほかの重い病気にかかったとき、子どもにどのように伝えますか。自分自身もショックを受けているでしょうし、子どもを悲しませたくないとためらう人もいると思います。正直に伝えて一緒に過ごす時間を大切にしたいと思う人もいるでしょう。自分ならどうしますか。経験談も寄せてください。

 ▽読者から

 ■ノート作り備え

 2年前に乳がんと診断され、手術を受けました。診断された時は死の恐怖より、小学生から大学生まで4人の子どもたちの心配が先に立ちました。そこで、生活やお金のことを記したエンディングノートを作成しました。上の2人に、もしもの時にはノートを見るよう伝えています。やるべき事が記入されていれば、前に進めると思っての判断です。(広島市南区・会社員女性・46歳)

 ■話して救われた

 子どもが小学6年と2年の時に、私ががんと分かりました。真っ暗闇の中に落ちたような感じでした。誰かに話を聞いてほしくて、一番身近な子どもたちに話したところ、全く動じませんでした。私の気持ちが救われたし、入院した時は洗濯などの家事を分担して助けてくれました。とても心強かったです。子どもたちを悲しませないためにも死ぬわけにはいかないと、治療を頑張る励みになりました。一緒に病と闘うためにも、助けを求めて良かったと思います。(広島県坂町・主婦・52歳)

 ■年齢考えて判断

 私が小学1年の時に、母が卵巣がんで手術し、長期入院しました。大人からは、詳しい病気のことは伝えられず母がいないという寂しさだけが記憶に残っています。しかし、小学6年の姉には母が、がんだと伝えられていたそうです。伝えるかどうかは、子どもが理解できる年齢かどうかによって変わるのではないでしょうか。(呉市・会社員男性・40歳)

 ■後で伝えて反省

 主人が、がんになった時、子どもたちは成人していました。同居の長女に顔を見ながら伝えると、ショックで泣きました。東京にいた長男には、手術が終わってから1カ月後に直接会って言うと「家族なんだからちゃんと教えてほしい」と怒りました。こちらは心配をかけたくない思いでしたが反省しました。(三原市・パート女性・58歳)

 ■自信につながる

 子どもは幼くても、大人が思うよりずっと敏感だと幼児の孫を見て感じています。秘密にしていても、親の表情、しぐさ、反応などで、いつもと同じではないと察します。子どもが理解できる範囲で、事実を伝えた方が安心感を与えることができます。一時的にショックを受けるかもしれませんが、家族の一員として認められた経験は、自信につながると思います。(広島市中区・会社員男性・61歳)

 ■不安になるかも

 もし、治らない病気にかかったら私は家族に正直に伝えて、生きられる時間を楽しく過ごしたいです。しかし、夫が病気や死をすごく怖がります。素直に伝えたら、夫の怖がる様子を見て、子どもたちも不安になってしまいそうです。(三原市・主婦・32歳)

 ▽専門家から

 ■隠さず治ること伝えて 広島大病院乳腺外科(広島市南区) 角舎学行(かどや・たかゆき)講師

 私が診ている乳がんの患者さんは、40代後半から60代の発症率が高く、中高生くらいのお子さんがいる方もいます。割合としては少ないですが、小学生以下のこともあります。

 小学生くらいなら、病気は十分理解できます。実際に、私の患者さんたちも話しているようです。お子さんには、がんであることを隠さず伝えるとともに、診療次第で治る病気だと説明しましょう。うすうす察して気付くようだと、かえって恐怖を増加させてしまいます。

 患者さんは、不安な姿を子どもに見せたくないのか、一緒に診療に来ることは少ないです。中には、小学生の時にお母さんやおばあちゃんの診療に付き添っていた子が、大きくなって医師を志した例がありました。「怖い」などのネガティブなイメージだけでなく、「治療に携わりたい」というようなポジティブな気持ちを抱くこともあるのです。

 理事長を務めるNPO法人ひろしまピンクリボンプロジェクト(呉市)は、高校生を中心に乳がんについて出前講座を開いています。親世代がかかりやすい病気について、関心を高める狙いです。

 ▽担当記者から

 自身や家族が、がんになった時の経験談が相次ぎました。夫を急病で失った女性からは「共に闘う時間を持てるなら、子どもにも伝えてあげてほしい」との意見が届きました。家族で治療に向き合う経験が、子どもたちを成長させるかもしれませんね。(赤江裕紀)

 ▽次回のお題は ゲーム機遊び、外はOK?

 みなさんは、お子さんにゲーム機を家から持ち出して屋外で遊びたいと言われたことはありませんか。親の目が届かない場所で遊ぶと、ゲーム機を壊したり、ゲームソフトをなくしたりするトラブルが心配です。また、大人から見ると、せっかく外で遊ぶなら体を動かしてほしいと思うこともあるのではないでしょうか。ただ、子どもたちの友達付き合いで、必要という場合もあるでしょう。経験談やご意見をお待ちしています。

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  • 広島大病院乳腺外科(広島市南区) 角舎学行講師

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