トピックス

土砂災害の新たな避難対策運用へ 広島市が来月から

2015/3/18 15:04

 74人が死亡した昨年8月の土砂災害を受け、広島市は17日、4月から運用する新たな避難対策をまとめた。降雨量などが一定の基準に達すれば、「躊躇(ちゅうちょ)なく」避難勧告を発令するよう市地域防災計画で規定。発令者も原則、区長とし、責任を明確にする。勧告が災害発生後となった教訓から、備えを早める。

 新たな避難対策は、危険度の順に(1)自主避難の呼び掛け(2)避難準備情報(3)避難勧告(4)避難指示―の4段階。特に避難勧告については避難所開設とセットだった従来の仕組みを改め、「夜間・早朝や避難所開設などの事情を勘案せず、躊躇なく発令」するとした。

 土砂災害では具体的に、「土の中にしみこんだ雨量が各地区で定めた避難基準雨量に達した」「広島県などが土砂災害警戒情報を発表し、気象庁などが5キロ四方ごとの土砂災害の危険度を判定するメッシュ情報でも基準値を超えた」―のいずれかで即座に発令する。今のマニュアルでは降雨予測などを勘案する余地を残していた。

 勧告の対象地域は、これまでの小学校区単位から、学区内の土砂災害警戒区域などの危険箇所に絞る。発令者は原則、区長とし、不在時は副区長、部長の順にできるようにした。

 他の3段階でも基準や対象地域を設定。災害対策本部は、新設する危機管理室を中心に運営し、消防局は救助活動に特化する。

 市は土砂災害の初動対応を検証した有識者たちの部会がまとめた提言を基に、避難対策を含む防災計画の修正案を作成。この日、市防災会議幹事会で示し、異論はなく了承された。24日にある市防災会議で正式に改訂する。市消防局防災課は「土砂災害の検証結果を踏まえ大幅に見直した。今後、市民へ周知したい」としている。


  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

広島土砂災害の最新記事
一覧

  • 3市6小学校区の基礎調査公表 土砂災害防止法で広島県 (6/30)

     広島県は土砂災害防止法に基づき、広島、尾道、三次の3市の計6小学校区での基礎調査の結果をまとめた。 西区山田▽安佐北区久地▽佐伯区湯来西▽尾道市旧田熊▽三次市甲奴、小童―の各小学校区。崖崩れと土石流...

  • ひょっとこ踊り、地域に元気 八木の60〜80代 (6/21)

     2014年の広島土砂災害の被災地、広島市安佐南区八木地区で、地域に笑いを届けようと活動するグループがある。60〜80代でつくる「八木ひょっとこ踊り同好会」。昨年2月に結成し、近頃は地域外にも出向いて...

  • 土石流センサー改良し運用再開 安佐南区 (6/9)

     国土交通省太田川河川事務所は8日、5月に3度の誤作動を起こした広島市安佐南区八木町の土石流警報装置(ワイヤセンサー)の改良作業を終え、運用を再開した。通信線の1カ所に小動物がかんだとみられる傷が確認...

  • 土砂災害に備え避難訓練 緑井の自治会、経路確認 (6/4)

     2014年の広島土砂災害で11人が亡くなった広島市安佐南区緑井7丁目の八敷地区で3日、避難訓練があった。地元住民でつくる自治会「八敷福祉会」の主催。参加者約150人が避難所までの経路を確認した。 午...

  • 防災と復興、思い一つに 広島市安佐南区で集い (5/31)

     広島県と広島市は30日、土砂災害防止県民の集いを広島市安佐南区の区民文化センターで開いた。2014年8月の広島土砂災害の被災地で災害に強いまちづくりに取り組む住民組織の活動発表などがあり、市民たち約...