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避難勧告、躊躇なく発令 広島市、災害対策見直し1カ月

2015/5/1 11:03

 74人が亡くなった昨年の広島土砂災害を教訓に、広島市が災害対策を見直して1日で1カ月となる。4月19日には大雨注意報を受け、警戒レベルを引き上げている被災地向けに避難準備情報を伝え、避難所を開設。新たなマニュアルに基づく対応をした。市民の命を守る避難の仕組みはどう変わったのか、整理した。

■避難時期

 新たな風水害の避難対策は、危険度が低い順に(1)自主避難の呼び掛け(2)避難準備情報(3)避難勧告(4)避難指示―に区分した。古いマニュアルでは降雨予測などを勘案する余地があったが、現在は雨量などが一定の基準に達すれば即発令する。

 特に被災地の安佐南区八木、梅林両小学区のJR可部線以西と安佐北区可部7学区では、計画された砂防ダムなどが完成するまで、大雨注意報で避難準備情報、大雨警報で避難勧告を発する。19日もこの基準を適用した。

 避難準備情報に伴い、各小学校区で事前に定めた避難所1カ所を開き、災害発生前から住民に避難を促す。開設が間に合わなくても、避難勧告を躊躇(ちゅうちょ)なく出すようになった。ただ避難準備情報の段階以上では、対象を土砂災害特別警戒区域など危険箇所にエリアを絞る。

■伝達方法

 避難勧告を出せば、昼夜を問わず、携帯電話を強制作動させる「緊急速報メール」を対象の区全域に一斉配信する。避難所が開いていない場合は、住民が各自の判断で安全な場所に逃げるよう呼び掛ける。

 避難勧告を知らせる防災サイレンの運用は今後、大幅に改善する。今は、地元の自主防災組織などが手動で動かす仕組みだが、市が防災行政無線の電波を使って遠隔操作できるように整備する。同時に音声で避難情報も放送し、住民に伝える手段を重層化する。来年度からの運用を目指している。

■防災態勢

 市消防局の危機管理部を市長部局に移して発足した危機管理室は平常時の防災行政から、非常時の災害対策本部の運営まで全庁の調整を担う。市役所本庁舎に平日夜間や土日曜も職員が詰め、24時間態勢で災害発生に備える。地域の自主防災組織との連携を強めるため、4月から全8区の地域起こし推進課に、消防局の職員1人と元職員1人を配置。地域の危険箇所を住民に周知するため、ハザードマップ作りに着手している。(和多正憲)


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