「原爆の日」特集
被爆後の避難、50人追体験 広島市安佐南区の梶矢さんが証言
2017ヒロシマ2017/7/29 11:56
原爆の日を前に、爆心地から約1.8キロの広島市大須賀町(現東区)で被爆した梶矢文昭さん(78)=安佐南区=が28日、被爆後に避難した道を自らたどりながら証言した。市民たち約50人が共に歩き、梶矢さんの「あの日」を追体験した。
▽「あの日」の実態深く
「ピカーッと光ってドーンと爆音が続いた。ガチャガチャと一遍に家がつぶされた」。梶矢さんは、通っていた荒神町国民学校の分散授業所だった民家があった場所で、自ら描いた絵を掲げ、あの瞬間を振り返った。2歳上の姉は家の下敷きとなり即死した。
梶矢さんは建物の隙間から外にはい出たという。「やけどで皮膚がただれた人たちがぞろぞろ歩いていた」。そう言い、二葉山方面へ。「あの日もこんなに暑かったんかね」と汗を拭う参加者も。山の中腹に着くと、梶矢さんは足を止め「川に死体が浮かび広島の街は燃えた。夕方までぼうぜんと眺めた」と回想した。
さらに広島東照宮まで歩き、近くの山の麓で再会した母親が、左の眼球を含めて体中にガラスの破片が突き刺さって血だらけだった様子などを証言した。
東区の寺社に残る被爆の痕跡などを訪ね歩く「二葉の里歴史の散歩道巡り」の一環。区やボランティアガイドのグループなどが主催した。2人の子連れで参加した安佐南区のアルバイト出山ひさ子さん(45)は「被爆の現場を歩きながら証言を聞いて、被害の実態をより深く感じられた」と話していた。(森戸新士)
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